11月の釣り Ver.2



 ■ 網揚げに期待の二日間

11月14日 アキアジの網が揚がりはじめたので、ぼちぼち釣れているとの情報が入ってきていた。
今週末は休めず、月曜日からの二日間が代休となり、日曜日の夕暮れ時の到着となるので祭りの後のような閑散とし
た釣り場を見ることになるだろうと港に向かった。
ところが・・・なんだか賑わっていて、見るとロッドを曲げている人もいたのである。
すでにウキが見えにくいほどの暗さだったが、速攻で準備してキャスト開始!
すると、数投目に早くもアタリ・・・・・渋いアタリだったが、何とか合わせてヒット!
しかし暗いためにKさんの仕掛けと絡み合ってしまい、目の前まで寄せはしたがタモ入れ前にフックアウト。
その後は完全にウキが見えなくなってしまい、雨も降ってきたので諦めることにする。
この日は15時頃から群れが入ったとのことで賑わっていたが、釣り人の中には魚の処理をした後に何度も水洗いをして釣り場をきれいにしていたグループがいた。
港は漁師が網を広げるので、魚の血の匂いが網に着くことを嫌うらしく、釣り人みんながこのような配慮をすれば釣り人が邪魔者扱いされることも少ないだろう・・・。
翌日は平日なので場所取りなどの必要もないだろうが、のんびり静
かな港の車中泊もいいだろうと、近くのスーパーで買い出しをして戻った。
夕食後、港内の明るい場所にカモメが群れていたので見に行くと、サンマやチカを狙ってダイビングしているらしく、捕
獲できる確率は10%程度だった。
20時半に寝てしまったので夜中にトイレに行きたくて目が覚めてしまい、その後なかなか眠れなかった。


11月15日 5時に起きるがまだ暗く、5時半近くになってから外に出て準備をしていると師匠が到着した。
海面が見える明るさになったところでキャストを始めたが、前前日は一本目が釣れたのが11時半頃だったと聞きがっかりする・・・。
しかしキャストしなければ釣れないので黙々と続けていたところ、6時55分に師匠が合わせを入れた。
小ぶりだが銀ピカで、ふと見ると15mほど離れた場所でもヒットしているのが見えた。
懸命にキャストを続けるもアタリはなく、一度だけウキが沈むほどのアタリを感じたものの合わせを入れるには至らなかった。
晴れたり曇ったりの天気は風がやや強く、この日から気温が急に下がっていたので防寒着は必要だった。
体は温かいが指先が冷たくて、エサ替えがあるので指は出さねばならず、それでも陽が射すと指先まで暖かくなる。
車内で休憩をしながら続けていたが、師匠はとうとう長ーーい休憩時間に入ってしまいなかなか起きてこない・・・。
平日なので釣り人はまばらだったが、人気ポイントには釣り人がひしめき合っていて、確かによく釣れていた。
10時半になる少し前のこと・・・Kさんが「きた!」と大きく合わせを入れてヒットした瞬間に、その近くをリーリングしてい
た私にもアタリが・・・。
うーんどうしよう?・・・しかし、迷わず合わせを入れて私もヒット!
とりあえずKさんに自分で取込むようにとタモを渡し、私は師匠のタモで自分の取込みをしようと持ったときに隣の方が
来てくれたので、せっかく好意来てくれたのに断るような失礼はできないのでタモ入れをしていただいた。
Kさんはといえば、私のタモ入れをしてくれた方が駈けつけた時にはすでに自分でタモ入れをしており、ダブルヒットはダ
ブルゲットというめでたい結果になった。

         
            Kさんのアキアジ                        ダブルヒットは久しぶり
2本ともに大きくはないが銀ピカで、所謂(いわゆる)ロスケ型だった。
この時期に釣れる50〜60cm程度の小さくてやせ形のアキアジを通称「ロスケ」と呼ぶが、これはかつて昭和40年代に
ロシアから輸入したシロザケの卵が不良品だったせいであり、この子孫が未だに残っているのである。
ロスケは身は赤いが脂の乗りが悪く、通常のシロザケに比べると味が落ちると言われている。

            

午後からは青空が広がり太陽が隠れることがなかったので、日焼け止めクリームを塗ったほどだった。
しかし、全体的にもアキアジは釣れなくなり、すぐ近くの港の中にいるサンマを釣ったり掬ったりする人たちで賑わって
いた。
15時には師匠が片づけを始め、私たちはもう少しだけ粘ってみようと思っていた時だった・・・。
Kさんが合わせを入れ、ヒット!
見ると、なかなか大きいのでロスケではないようだった。
私のタモ入れでネットインしたのは、やや銀ピカの少し大きめ雌だった。

        

陽が沈むとたちまちに暗くなり、空には月が昇っていた。
より高いところにある白い雲がオレンジ色に光り、暗さが増すと月はその白さを増して明るくなっていく。
そして、この日の釣りが終わった。


11月16日 釣り場に着いたのは5時半過ぎだったので、すでに空は明るく海面も見える程度になっていた。
先着していた松さんとは久しぶりであったが、上着の上下を忘れたとのことで私たちの予備服が役に立った。
山際に薄くたなびいている雲が薄暗く、空は赤く染められていて、その上を真っ青な空が広がっている。
キャスティングを始めたのが6時過ぎで、風がないので昨日よりも暖かく感じた。
この日も早朝は釣れる気がしないなあと思っていたが、左隣20mほどでヒットしたのでやや期待してリーリングしていたところ・・・アタリがあった。
6時20分のことで、そのアタリは合わせるに充分なものへと変化して
ヒットした。
ロスケ型の雌で、しかしなかなか状態の好い銀ピカだった。
ところが左隣で再びヒットしたので、ここで思い切って大移動の賭けに挑んでみた。

        

これが当たって7時10分過ぎに再びアタリが・・・合わせを入れたもののすっぽ抜けてしまい、それでもあきらめずに誘っ
てみたところが再び食ってきた。
再合わせに見事ヒットして、Kさんのタモ入れでゲットとなる。
細長くて小さな典型的なロスケの雄だった。
この頃になると近くの港内にサンマ釣りの人たちが集まりはじめ、釣ったり掬ったりしている姿が多くなってきていた。
すっかり日も昇り太陽が出っぱなしで、風もないので暖かくて昨日と同じ格好では暑いくらいだった。

            

8時20分、やや離れた元の場所で師匠にヒットしている。
ズームで撮影しているうちに、松さんがタモ入れをしていたのが確認できた。
サンマ釣りの様子を見に行くと、なかには大きなものも釣れていたので、次第にサンマ釣りがしたくなって仕方がなかった。
9時半には堪らずサビキ竿を用意して、一番釣れているところにお邪魔する。
仕掛けを下ろすとたちまち反応があり、サンマ特有の強い引きがブルブルと伝わってくる。
釣ったサンマは大きなものだけを大型バケツに入れて、その他はリリースである。
店頭で販売されているような太ったサンマも時々釣れてくるので、前回よりもサイズアップしているようだった。
釣ったサンマを見て、105円!105円と喜んでいる人がいるほど型が良くなっていた。
50本ほど釣って満足したところでKさんに釣果を見せると、代わってKさんがサンマ釣りに行くことになった。
アキアジ釣りに復帰したところ、左隣2人目に入った人が一投目でいきなりのヒット!
この時自分の仕掛けがいいところをリーリングしていたので期待していたところ、その期待通りにヒットしてしまった。
足元のすぐ近くの場所だったので自信はなかったが、タモ入れは自
分で済ませて無時ゲット!
10時15分のことで、ブナではないやや大きめの雄だった。
10時半、再び師匠にヒットしていて、松さんがタモ入れ中だった。
その頃、Kさんはサンマ釣りに熱中していて、後から聞いた話では大きなサンマはさほど釣れなかったらしい。
11時近くなってアキアジ釣りに復帰したKさんのラインにトラブルが発生したので続行不可能となり、時間的にも丁度好かったので納竿と
した。
丁度様子を見に来た師匠の奥さんと雑談していた時に、ただ一人続けていた師匠にヒット!
すぐに私がタモを持ってネットイン!・・・・・しかし何故か入った筈のアキアジが海面にいた・・・。
どうやら網に穴があいているらしく、すぐに松さんのタモを持ってきていただき再度ネットインとなる。
調べてみると師匠のタモ網は2か所も穴があいており、本人はといえば他人事のように笑っていたのである。
楽しいハプニングもあり、皆さんに見送られて釣り場を後にする。
どこまでも好い天気が続いたが、高規格道路から峠が近づくと残雪が道路の横に残っていて、気温もマイナスとなって
いた。





 ■ アキアジ好調!好釣!

11月19日 作業のためにしばらく入れなかった港が解放されるという情報に期待して、今回はアキアジとニシンをダブ
ルで狙う予定だった。
しかし、師匠からの連絡では作業がなかなか終わらなかったので、いったん自宅に戻ると電話が入った時には並んで
待っている車は30台もあったそうだ。
その後、メガオさんが港に向かった時には15台ほどに減っていたが、依然作業中のために開放はされておらず待機中
とのこと・・・。
もしかすると、私が着く頃になっても解放されていないのでは?そんな心配をしていたのだが、自宅を出発する前に場
所を確保した旨の電話があり、ほっと胸をなでおろすとともに皆さんに感謝!
22時前には現地に着いたので、投光器を使ってサンマ釣りをしようと準備していたところ、警察車両が2台やってきて
左隣の車を調べていた。
近くにいた人が教えてくれたのは、発電機を使った投光器で違法なサンマ掬いをしていたらしく、しばらくの間いろいろ
と調べられていた。
私の方の釣りはというと・・・・・小ニシンしか釣れず、早々に諦めて車内で一杯となった。
右隣の人たちはウキでアキアジを狙っていたようだが、朝までに一本バラしただけだったらしい。


11月20日 4時半に目覚めてしまい、眠れなかったので準備をしているうちにキッシーさんが到着し、その後サッキーさ
んや師匠も到着し、最後にメガオさんが現れた。
総勢6人の大所帯で賑やかなスタートとなり、朝焼けは美しくこの日の好天を予想するに十分な空だった。
しかし狙っていたニシンは全く釣れずサンマもほとんど見えないなか、近くでアキアジがヒットした。
メンバーも他の釣り人もほとんどがアキアジモードになり、メンバーではキッシーさんがファーストヒットとなったが、残念ながらバラシ。
本人は朝にバラすと、その日はろくなことがないと言っていたが、実はこの日は彼にとってその反対の特別な日になるのだったが、それはのちほど・・・。
6時09分、師匠にヒット!座ってのファイトだったが、アキアジが半分ほどに近づいたところで立ちあがり、みんなが勝
手に言う「きれい」とか「ロスケじゃあない」などという声のなかでKさんがタモ入れをしてゲットとなった。

         
            師匠のアキアジ                            私の一本目
続いて6時11分には私にアタリがあり、朝焼けを正面から受けながらファイトを楽しみ、師匠にタモ入れをしていただき
ゲットとなった。
銀ピカの雄で、レギュラーサイズだった。
このアキアジはその日のうちにご近所さんに持って行ったが、翌日の朝に来てほしいと言われて見に行ったところ、そ
のアキアジのお腹の中から10cmほどの小ニシンが15匹以上、そのままの姿で出てきたのである。
さらに15分後、キッシー&サッキーコンビのダブルヒットがあり、誰もタモを持つ人がいなかったので各自自分でタモ入
れをしてゲットとなる。

         
           ダブルヒット&ゲット                        メガオさんのアキアジ
すぐ後の6時29分にはメガオさんにヒットするも、朝からすうっと悪態をついていたためにバレロコールがかかってしま
った。
しかし全く気にしない彼は、ゴリ巻きしてあっという間に足元にアキアジを寄せ格好好く準備万端整ったかにみえたのだ
が、タモを持ってきていなかったのである。
結局キッシーさんがタモ入れをして無時ゲットするが、この日一番というほどの銀ピカだったのである。
6時37分にキッシーさんが釣ったその3分後の6時40分、再び私にアタリがありヒットして、小さかったがきれいな銀ピカ雄をゲットした。
この後は私たちにはアタリが消えてしまい、朝の様子を見に来たゴッドボーズさんがそろそろ仕事に行こうかと言っていた時だった。
7時33分、師匠にやや沖目でヒット!
ゴッドボーズさんが朝の仕事と称してタモ入れをして、これはなかなか大きなアキアジだった。
7時37分、次はメガオさんにヒット!
水がきれいで波が全くなかったので水中が良く見えて、キッシーさんが用意したタモに入るまでくねくねと抵抗し、これま
た腹の白い銀ピカのアキアジだった。
この日はとにかく凄かった。周りを見るとどこかでヒットしているというほどアキアジが濃く、多い時には3〜4本も同時にヒットしている時があった。
朝食を車内で食べていた時、マルさんが他の場所で釣っていたがおもわしくなかったので納竿してきたと言って現われた。
しかし、いつものように「孫のお守をしなければ・・・」そう言って去って行ったが、後で再び現れる・・・。
雲がほとんどない空には太陽がポカポカと暖かく風はほとんどなかったので、この時期としては異常なほど過ごしやすい。
10時近くになるとややおとなしくなってきていたが、それでも時々どこかでロッドが曲がっている。
そんな状況でもなかなかアタリすらない人はいるもので、朝マズメも終わりかけた頃になると焦燥から絶望に変わってきていた人がいた。
10時18分、そんなKさんに待望のヒット!
師匠がタモの準備をしてくれて、魚の姿が見えると魚体は大きくピカピカしている。
無時ゲットしたアキアジは4kgを超える雄で、辛抱した甲斐があったというものだ。
そしてこの時点で6人全員がアキアジを釣り上げ、6人ものメンバーが全員釣り上げるというおめでたい釣行となった。
この頃、絶好調のキッシーさんは5本目を釣り上げていて、まだまだ勢いがありそうだった。
もうすぐ正午になる頃、同じような渋いアタリから私にヒットした。
やや大きな雄で、銀でもBクラスだろう縞が入っていた。

            
               私の3本目                             Kさんの2本目
12時18分、次はKさんにヒット!これは残念ながらブナ雄だった。
ここで長い眠りから覚めた(車内で爆睡)師匠が、なんと!一投目でヒット!
Kさんがタモ入れをして、目覚めの一本を釣り上げたのである。
昼過ぎにはサッキーさんが納竿し、代わってマルさんが入釣した頃には向かい風が冷たくなってきていた。
アキアジも時々しかヒットしなくなり、その時々が何故かキッシーさんだったのである。
14時半過ぎにイノケンさんが到着してからもキッシーさんは2本追加して、この日は何と9本という釣果だった。
陽が沈むと気温も下がり、予定時間の15時過ぎには納竿としたが、仲間はその後も続けていたようだった。
翌日も釣れるだろうなあと、やや心残りながらも、量も質も充分なアキアジ釣りに満足しての出発となった。

ちなみに、ニシンは全く姿をみせず、まだサンマが釣れていた。


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