9月の釣り Ver.1



 ■ オホーツクアキアジ初出撃

9月9日 釣りはしたかったが魚がおらず、久しぶりに安心して他のことに集中できる週末を2週過ごして、もうそろそろ
アキアジが岸寄りしているだろうと情報収集するも、どうもパッとしない・・・。
それでも仲間がみんな出撃するのでそれだけでも楽しいことが待っているから、夕食後にいつも通り出発。
師匠はここ数日毎日出撃しているらしく毎日数本づつ釣果があり、少々荒れたあとなので期待しての現地入りだった。
メガオさんが先に現地入りしていて、予定よりも早く22時前に現地に到着となった。
海に出ると少しだけ波は残っているが、風が海に向かって吹いているので朝には凪になるだろうことがわかる。
日中は暑いが、夜になると寒く感じるほどに気温は下がっていて、荷物運びでひと汗かいた体もじきに寒くなってくる。
空を見上げると水平線近くに北斗七星が輝き、天の川がくっきりと見えて美しい。
おしゃべりをしているうちに翌日になってしまったので、寝ることにした。


9月10日 3時半に起床し、朝の準備を済ませてから空をみると、水平線が微かに明るくなってきていたのが4時頃なの
で随分夜明けは遅くなってきている。
4時15分ごろからエサだけ付けておこうと動きはじめ、それでも竿先はまだよく見えない。
目のよいメガオさんには見えると言うのでキャストを開始。
波は予想通りほとんどなくなっていて、この分だと午前中にべた凪になってしまうだろう。
いつもならこのくらいの時間からヒットが続出するのだがこの日は全く反応がなく、やはり今年は遅れていることを実感する。
5時過ぎには左隣の3本しか竿を出していないご夫婦にアキアジが釣れて、そろそろ私たちにも来るかと待つがそうはいかない・・・。
ぼんやりと周囲を見ていた5時30分のこと・・・来た!と叫びながらメガオさんがたった一本しか出していない竿に向かって走り出した。
大きく合わせを入れてヒットを確信!メガオさんは慎重に巻き

朝の海とメガオさんの一本ブッコミ竿
はじめる。
硬い竿なので先の方が僅かに曲がっている程度で、傍目にはアキアジがヒットしているのか判断ができないほどだっ
た。
しばらく巻いているうちに急激に引っ張られ、波打ち際から15mほどの海面で波しぶきを上げるアキアジの姿が見え
た。
アキアジはこの辺りまで巻いたところで急にファイトするので、ここからが面白くなる。
近くのラインに絡んだようなので動画撮影はここで中止してアキアジのランディングに集中し、無時銀ピカのアベレージサイズの雄をゲット!
その10分後には私の竿に反応があり、今季初の大合わせを入れた・・ナイロンラインなのでドヨーンとした反応だが、ヒットを確信して巻きはじめる。
巻いている間は反応は感じられずただ幾分重い程度だが、止めるとアキアジの反応が伝わってくる。
そして10mほどに近くなったところで暴れはじめ、今期は充分に調整済みのドラグなので信頼して巻き続け、波打ち際ではアキアジキックをしていただきゲットとなる。
例年ほどの銀ピカではなかったが、3kgほどの小ぶりの雄だった。
メガオさん特製の三脚に吊していただき、二人ともに釣れた幸運に
喜びあっていた。
その後、天気は青空が一杯に広がり暑いほどの陽気になり波は完全に消えてしまったが、アキアジも私たちの前から
消えてしまったようだった。
私たちの前と書いたが、僅か100mほど右では次々に釣れているのである。
まだまだ魚が少なく、河口に近い場所でなくては釣れないようだった。
10時56分、左隣の釣り人が教えてくれた時には私の竿全体がガクンガクンと揺れていて、いち早くメガオさんが駆け付けて巻きはじめていた。
そのうちに別の竿も揺れはじめたので動画撮影を止めて注視したが、ヒット中の魚が絡んだものだった。
メガオさんがファイト中のアキアジは正確にはKさんの竿で、隣の釣り人の「巻け!巻け!」につられて合わせを入れたそうである。
上がったアキアジは型の好い雄で、長さはそれほどでもないが4kg超
えのアキアジだった。
その後11時半にもアタリがあり合わせを入れるがヒットには至らず、他の場所でもバラシが頻発している食い渋ったよ
うな状況が続いていた。
日陰がないのでタープを張り何とか3人分の日陰をつくり、それでも空気が乾いているのでじっとしていれば涼しかっ
た。
昼食を済ませて、メガオさんが片づけをしていた13時10分だった。
           

微かな竿先の変化を偶然発見した私が大きく合わせを入れると、その手ごたえは間違いなくアキアジのものだった。
巻いているときにも反応や大きさが実感できるので、期待して巻いているうちに波打ち際に近づき、ここからもうひと走
りしてメガオさんが用意してきたフィッシュハンドでゲット!
しかし、暴れ続けるアキアジが巻き上げる砂がメガオさんを襲い、顔にまで砂が飛んでくるから堪らない。
このアキアジは、この日最大の5kgオーバーの雄だった。
メガオさんが納竿してからは周囲でもアタリは消えてしまい、向かい風になったせいかさざ波がたっていた。
夕方にはイノケンさんが到着し、私たちは食料やお酒の調達にでかけ、戻る頃にはすっかり暗くなっていた。
イノケンさんとささやかではあるが楽しい酒宴をして、21時頃には前日の寝不足のせいもありシュラフにもぐりこんだ。


9月11日 前日よりも15分遅く起きたが空は暗く、雲が立ち込めていてなかなか明るくならなかった。
前日に釣れた時間を過ぎても釣れずどうしたものかと思っていたところ、イノケンさんにヒット!
5kgオーバーのデカ雄で、次は私だと思っていたら・・・またイノケンさんに、これまたデカ雄ヒット!次も同じ・・・・・。
更に左隣にいる釣り人は朝からヒットが続出していて、私が気付いただけでも7ヒット5ゲットである。

            

面白いのはこの釣り人のファイトで、竿を全く立てないことである。
魚とのやり取りを寝かせたままの状態で手繰るような、不思議としか言いようのないファイトなのだ。
最後に波打ち際から引き揚げるときのみ、竿が立っているのも面白い!
この釣り人は、9時前には颯爽と帰ってしまった。
その後もイノケンさんが釣れ続け、どうしたことか私には全く反応がないのである。
5本釣ったイノケンさんは砂の上を引くソリが重そうで、実にうらやましい!
しかし、隣同士なのにここまで差が出ると、もう笑うしかないだろう。


昨年の私、全体5本中5本ゲットなんて信じがたい釣果があったが、今回は両隣りに5本の釣果・・・・・実に運命的で面
白い!





 ■ 荒れた後にはアキアジが・・

9月13日 アキアジ休暇と称して平日にのんびり竿を出しましょうと計画していたものの、Kさんに仕事が入ってしまい予
定変更。
予定が狂ったおかげで、この日はメガオさんとのテント泊となった。
現地へ向かう途中の新ルクシトンネル前では、先ほど私を猛スピードで抜かしていった車が覆面パトカーのお世話にな
っていて、気の毒に思いつつもついついその先は慎重な運転になる。
現地の砂浜ではメガオさんの献身的なありがたい手伝いもあり準備は速やかに済んで、相変わらず美しくて澄み切っ
た星空を眺めながら楽しいひと時を過ごして、各自のテントに戻って横になったが・・・。


9月14日 ・・・・・全く眠ることができず、結局3時にはテントを出てみると、メガオさんも眠れなかったと起きていたのであ
る。
暇なので、河口付近の様子を見に行くと、平日というのに激混み状態で、ルミカを付けたウキがロケット花火のように次々に発射されてはゆっくりと引き戻されている光景は異常でもある。
知り合いのおじさんに挨拶してから自分たちの釣り場に戻り、この頃に師匠が到着した。
しばらくすると東の空が明るくなりはじめ、メガオさんは予告通りさっそく暗い海に向かって第一投!
私は少し遅れていつでもキャストできる状態にしておいた竿を、ようやく竿先が見えるようになったのでキャストする。
前日の釣果は思わしくなくやや期待の薄いスタートだが、仲間がここにいるだけでも楽しくて昇る朝日がより美しかった。
すっかり明るくなった5時38分のこと・・・師匠の竿にアタリがあり、一度巻いてみるも反応がなく、再びアタリがあったので思い切って合わせを入れた。
竿先は魚のいる反応を見せてくれていたが師匠は何か違うことをわかっていたらしく、スルスルと巻き上げて魚の姿が見えた時には海藻がかかっていたと思った。
その魚の正体はイシガレイで、なんと!44cmという船釣りでもなかなか上がらないビッグサイズだった。
しかし、アキアジ意外の魚に何の興味もない師匠は、リリースすると言う・・・。
朝マズメは全くアタリもないままに過ぎていこうとしていたので、私は
徹夜明けの体をテントに這入って休ませようとした。
すぐに睡魔に襲われウトウトしはじめた時、メガオさんの「来てる!来てる!」の声が遠くに聞こえた。
8時少し前のことで、私は長靴を履いてダッシュするとメガオさんが私のルアー竿でファイト中だった。
竿を受け取り巻きはじめるとすぐにドラグが鳴りだし、ナイロンラインの投げ竿とは違ったダイレクト感がいい。
砂浜に引き上げられたその魚体は大きく、大きくはないが5.3kgのビッグな雌だった。
しかし後が続かず、他の場所でも魚がいないと嘆いているほ
ど静かな釣り場だったが、風向きが正面に変わりさざ波から本格的な波に変わり始めてくると、アキアジはやってくると
期待できる。
やがて青空に雲が広がりはじめると瞬く間に空が灰色に変わり、その色が黒っぽくなったと思った時にはポツポツと雨
粒が落ちはじめていた。
雨は本格的には降らず、再び青空にうろこ雲が見えてくると暖かくなってくるが、風は止まなかったので波は若干ある。

      
                                               ビールは昨夜飲んだもの
メガオさんと海を眺めていた12時50分のこと。竿先にアタリが見えて、すぐに大きく竿全体が揺れはじめた。
先に着いたメガオさんが海を背にして竿を支えてくれて、私はすぐに合わせを入れたが竿は立つまで至らず引き戻され
るほど・・・。
合わせから最後まで引かれっぱなしだったとしか言いようのないファイトで、投げ竿でドラグが活躍することは少ないだ
けにそのパワーがわかるであろう。
重さは忘れてしまったが、5kgは超えたなかなか好い銀ピカの雄だった。
その後再び曇り空になってしまい、風のせいか寒くなってきていた。
午後から家に戻っていた師匠が戻り、その少し前にメガオさんが出かけていたので夕マズメに期待してエサの交換を
する。
         

そして、15時半過ぎだった。師匠の竿にアタリがあったものの反応が消え、次に私の竿にも反応がありそれは合わせ
るべくものとなる。
大きくはなかったが、これで釣れたらいいなあと願っていた仕掛けにヒットしたのがうれしかった。
夕方まで竿を出していたが反応はなく納竿となる。
師匠が帰ってしまい、再び一人きりとなりメガオさんの帰りを待つ間、一人でもいくらでも時間は使い道があることを知
った。
そして19時過ぎにはメガオさんが新車とともに戻り、夕食を食べながら昨夜ほどではなかったが星空に乾杯した。
早めにそれぞれのテントに戻り、私は前夜の徹夜の疲れからすぐに眠ってしまったが、メガオさんはイノケンさんが着く22時頃には一旦起きていた。


9月15日 3時40分に起きて目覚ましが鳴る前にそれを停めてから外に出ると、すでに師匠のキャップライトの灯りが見えていて、メガオさんも起きてきた。
イノケンさんのテントに灯りが点いたので、これで全員起きたようだった。
風は止んでいて波は少しあることは問題なかったが、干潮のために波打ち際が随分遠くなっている。
昨日と同じような朝焼けが見える頃に竿の準備を始め、今日は期待できるだろうと思った頃には仲間にヒットが続出しはじめ、動画撮影がしたかった私にはうれしい忙しさとなった。

         

4人ともなると右端から左端まではかなりの距離があるので、砂浜ばかりを走りまわるわけではないが体力の消耗は
激しかったようである。
気付いた時には私はノーヒット・・・・・。

           
                                                 やっと一本目が・・・
ようやくヒットして釣り上げたのが5時20分で、この時ほど釣れるまでの時間が長かったことはない。
この日のナンバーワンはメガオさんで、1本しか使わずに3本の釣果というこれまでで最高の結果を叩きだした。
イノケンさんも私が1本目を釣り上げるまでには5本も釣り上げていて、彼の釣りへの執念はさすがである。

           

師匠も久しぶりのサーフを駆け回ってアキアジを釣っては運んでいたので、その体力は健在であると言ってよい。
しかも、師匠が釣りあげた雌は6.3kgというバケモノのようなアキアジだった。
僅か一本の釣果にも、二日目は釣れないというジンクスは破れ、ボウズは逃れたことに安堵していた10時少し前のこと・・・。
私の竿に大きな反応があり、メガオさんが先に走って海側から竿を支えて待っていてくれた。
すかさず合わせを入れると、すぐに暴走するヒットを確信し巻きはじめたのだが、そのパワーに驚くことになる。
巻けども巻けどもドラグを鳴らしてなかなか寄せられず、リールを巻く速度も落ちはじめた頃にようやく波打ち際に現れた。
5kgを軽く超えた銀ピカ雄で、私のこの日の釣果はこれが最
後となった。
お昼過ぎにはメガオさんとともに納竿し、翌日も楽しむと言う師匠とイノケンさんに別れを告げて釣り場を去った。
今回は風邪気味のせいか、後半の体力が自分が不甲斐なくなるほど落ちていて、釣りとはいえ体調の管理はしっかり
せねばならぬことを反省材料とした。


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