6月の釣り Ver.1



 ■ オホーツクの船カレイ

6月4日 天気は安定していて、週末も波の心配が必要ないほど安心して土曜日を迎えられそうだった。
今回はキッシーさんが船の手配をしてくれて、この日まで天候の心配だけをすればよかったのは有り難い。
この日は午後から出発して、明るいうちに港に近い道の駅に車中泊することが決まっていたので、のんびりした気分で
過ごすことができた。
道の駅に着いた時にはまだ売店も営業中だったので客の姿もあり、幾分活気のようなものが感じられる。

春紅葉

道の駅の周辺を散策してみると、レストランだと思い込んでいたのはバーベキューハウスで、その上に少しだけ見えて
いたのがレストランだったことを知る。
車内で夕食を食べながら次第に暗くなってくる外を眺めていると、海の方角の空が僅かにオレンジ色に色づき明るくな
っていることも、翌日の晴天を約束してくれているようだった。


6月5日 これまででは一番早く目覚しが鳴り、外へ出てみるとすでに明るくなり始めていることに夏至の到来が近いこと
を知る。
左にサロマ湖が見える湖岸の道は正面の雲の切れ間が赤くなっていて、まだ点いている灯りが夜の終わりを告げているかのようでもある。
港に着くとすでに数台の乗船客の車が停められていて、なかでもひと際目立つKKさんの姿が遠くからでも確認できた。
kkさんは1時に目が覚めて、そのまま車を走らせてここで待機していたというから凄い!
とりあえず釣り座の確保をしようと歩きだしたときにキッシーさんが到着して、一緒に船に向かった。
ところが・・・二人とも何を勘違いしたのかおしゃべりと撮影に夢中に
なっていたせいなのか、船に乗ってみると釣り客の道具はなく、船は随分きれいで何だかおかしい??
実はこの日乗船する船を通り過ぎてしまい、違う船に乗ってしまっていたのだった。
釣り座を決めて一安心した頃には東の地平線が朝焼けに染まり、海まで赤く美しかった。
車に戻り着替えを済ませたが師匠が現れず、いつも時間通りに到着する方なので電話をしてみたところ、すぐそこまで来ていたようだった。
今回のミヨシ側は私たち4人と、KKさん、そして旭川からの常連さん。トモに6人の合計12人だったが、一人がついに現れず11人での出港となる。
定刻よりも5分ほど遅れて岸壁を離れ、ゆっくりと進み、港を出ると速度を増すが水面は穏やかなのでスピード感はあ
まり感じられない。
太陽は厚い雲に隠れてしまい、僅かに水平線の向こうが明るい程度だった。
15分ほどで湖口に近付き、前回は外海の状態が気になっていたが今回は全く気にならず、船はスムーズにオホーツク
海へ乗り出した。
       

ポイントに到着すると他の釣り船はすでに着いていて、5時15分には船の向きが決まって釣り開始となった。
前回は開始早々次々にアタリが続いたが今回は前回ほどではなく、それでも13mほどの海底からは小気味好い反応
が伝わってくる。
しかし、今回はカジカも多く反応を示すので、巻き上げると残念賞もたびたびあることが前回との大きな違いだ。
べた凪なので船の揺れはほとんどなく、置き竿にしていても海底からのアタリがよく見える。
開始早々は動画撮影をしようと思っていたので数分間はカメラを持っていたが、頻繁に来る自分の竿へのアタリが気になってしまい、やがてカメラはポケットに収まってしまう。
今回は釣り餌のホタテのミミが配給されたので、釣れても餌は外れにくいので餌付けはさほど必要ないと思っていたが、針の返しが小さいのかすぐに取れてしまい、引き上げると餌がなくなっていることが多かった。
師匠は自作のオリジナル仕掛けを使っていて、これが傍らから見ていても長さや針数や派手さにおいても目立ち、さす
がに年季の入った釣師であることがわかる。
前回もそうだったように、カレイは巻き上げているときに外れてしまうことも多く、私たちの使っている短竿では船長から教えていただいた聞き釣りが思うようにはできず、道具の変更も考えさせられた。
マガレイは18〜25cmほどのサイズが多く、私はなぜか手のひらどころか指の長さほどしかない小さなマガレイも2枚釣ってしまった。
1時間半ほど釣ってから流された船を移動して、深さは14mという海底に仕掛けを落とし込むとすぐにアタリが返ってくる。
周囲には遊漁船やマイボートなどもみられ、この辺りがカレイ釣りのポイントであることがわかる。
気さくな船長はリモコンの操舵装置を操作しながら釣り人と話をしたり、絡んだ仕掛けを外したり、常に全体に目を配っ
ている。
慣れというものもあるのかもしれないが船長のカレイの目測は確かで、その実測との誤差は1cmほどしかない。
朝から太陽が顔を出し日差しは強く気温は高くなりはじめていたが、幸い私たちの釣り座は太陽に背を向けていたのでさほどでもなかった。
9時を過ぎると船上に変化が現れ私の竿にも手ごたえのある引きが
感じられ、期待して巻いてみたところ型の良いマガレイが上がってきた。
大きさは30cmだったが、結果からいえばこの日の船中最大となったことを後で知った。

型揃いだった
他の釣り人がタモが必要なクロガシラを釣ったという騒ぎを聞きながら、自分にも強い引きが来ないものかと期待するがなかなかやってこない。
そして9時45分、この日は型の良いクロガシラを数枚釣っていたKさんが再び苦心してリールを巻いていた。
海面に現れたのは大きなクロガシラで、船長がすぐに来てくれてタモ入れをしてくれた。
計測してみると40cm丁度で、これはKさんがこれまでに釣ったカレイの最大サイズとなる。  
因みにこのカレイは後日刺身で食べてみたが、5枚おろしにしてカレイの臭 
みが苦手な私は昆布に挟み置きしてから食すと、全く臭みは消えて美味しくなっていた。
10時を過ぎてからは若干反応が悪くなり、納竿の12時近くなるとみなさん片づけ始めていたが、私は船長の合図まで粘
っていたところ、最後に28cmのマガレイをゲットして納竿となった。
まだまだ釣りをしていたい気分のまま船は港に向かうが、体は背中が痛くなるほど疲れていたのでこれで十分だったの
だろう。

          

進行方向に霧が発生していてその霧に突入するも、湖口は霧が晴れて陽が射していた。
橋の上から手を振る家族に応えながら湖内に入り、周囲の景色を見ているうちに港に着いたのが12時45分だった。
今回は前回ほど魚の反応は少なく、それでも150枚ほどは釣りあげるが、持ち帰ったカレイは80枚ほどだった。Kさん
は大物が多く、数は少なかったが満足だっただろう。
昼食は近くのドライブインで仲間と食べて、ゆっくりしてから15時近くになって出発となる。


帰りがけに、丸瀬布の藤まつりの案内が気になって、幟に惹かれるように藤棚のある公園に行ってみた。
しかし、藤棚には全く花が咲いておらず、翌日に開催予定の藤まつりはたぶん開花しないだろうと思われるほどに悲惨
な状況だった。
それでも、この街にこんな大きな藤棚があることを知っただけでも大きな収穫と、心地好い疲れとともに我が家に帰っ
た。





 ■ 道東の川にルアーを泳がせ

6月11日 夕食後に出発して快適に走っていると、大雪湖の横にあるトンネルの入口で道の真ん中にシカが・・・。
幸いシカはすぐに逃げたし、速度も出ていなかったので接触はしなかった。
その後はシカ・シカ・シカのオンパレードで、道の脇に次々に現れた。
師匠宅に着いたのが20時過ぎで、私が一番早く到着した。
次いでキッシーさんが到着し、最後に師匠が戻るとその足で夕食へとでかける。
翌日は早朝からの釣りになるので早めに戻り、23時半には寝る。


6月12日 4時の目覚ましが鳴る前に目覚め、私は師匠の車に乗せていただいて釣り場へ向かった。
正面からの朝日が眩しく、川が近づくと霧が薄くかかっていた。
川でのルアーなんて何十年ぶりだろうと不安で一杯だったが、岩や木などの障害物はほとんどなく、これならルアーを
引っかけることはなかろうと安易なキャストを繰り返す。
川なので当然ながら蚊のような刺されると痒い虫が大量に寄ってくるので、これでもかというくらいに虫除けスプレーを
頭部と手に噴射する。
キッシーさんも師匠も外道ではあったがヒットしていたので、私も外道 
でいいからと粘っていたところ・・・ヒット!
しかし、なんだか小さいので最後は一気に引きぬいてみたところ・・・ウグイだった。
海で見るウグイとは違い、腹の下にオレンジ色の線が走っているので、おそらく婚姻線なのだろう。
陽が高くなってくると気温が上昇し、目の前では盛んに大小さまざまな魚がライズしているがフライロッドなど持ってきて
おらず、スプーンやミノーには反応してくれなかった。
それでも自在に移動して好きなポイントを攻める楽しさや狙ったポイントにキャストできた時の満足感、そして海にはない変化に富んだフィールドは斬新であった。
気付いた時には10時近くになっていたので、場所を移動することになった。
気温は上昇を続けていたので上着を脱ぎTシャツになって、ここでもたっぷりと虫除けスプレーを噴射する。
移動したポイントでお昼まで続けるが全くの無反応で、そんな中でもキッシーさんが外道ではあったがここでも貴重な一本を釣りあげる。
なんとなくルアーの扱い方に慣れてきたが時すでに遅く、暑さに耐え
られず木陰に休んでいたところ師匠がやってきて、その後間もなく納竿となった。
昼食は近くの街まで蕎麦を食べに行き、食後は当然のように釣具店に向かってキッシーさんの使っていたルアーを購
入することとなる。
キッシーさんと別れてから師匠宅に戻り、反省会を兼ねた談義は夕食までも続き、疲れのせいか20時過ぎには寝るこ
ととなった。


6月13日 早く寝たお陰で予定の3時半前に目覚め、師匠の車で薄暗いなか出発する。
この日も先客が数人いたが、一人は師匠の知り合いでもありアキアジ釣りで二度ほどお会いしたことのある細さんだっ
た。

        

朝の清々しい空気の中だが、頭の中は欲望と邪気が入り混じり対照的だった。
キッシーさんのお勧めミノーのパッケージの裏に「五投以内にヒット・・・」などと書かれていたので、数えながらキャストしていたところが、その五投目に強いアタリ・・・ヒット!
しかし、見えた魚は外道だ。
その後数投したところで、色違いのサイズアップしたミノーをキャスト・・・ん?
根がかりだ・・・・・まだ泳ぎも確かめられないうちにロストしてしまうとは・・・。
ミノーはルアーの中でも特に高額なので、とってもへこむ・・・。
しばらくすると陽が昇り、大小さまざまなライズが発生し始めたので、
ここで昨日購入した必殺ルアーを投入!
すると僅か三投目にはヒット!
しかしニジマスではなく、その後もヒットは続いたものの虹は現れず、次々と外道をリリースして7時過ぎには終了となった。
ふと足元を見たところ、5cmくらいの魚が泳いでいた。
これはたぶん鮭の幼魚だろう、頼りない小刻みな泳ぎ方だったが、これから大海に出て大きくなって帰ってくることを祈り、しばらくはその場に佇んでいた。
じっとしていても汗が出てくるほど日差しが強く気温は上がり早々に釣り場を離れるが、二日間の慣れない釣行の疲れのために車に乗っているときには足が攣りそうになってしまった。
それでも、数年ぶりの川での釣りは楽しかった。


6月の釣りVer.2 へ → 


戻る
戻る