1月の釣り Ver.2



 ■ 柳の下に2匹目のドジョウは・・・

1月17日 14日に51cmのサクラマスが釣れた!そんな情報に興奮しての出発となる。
出発時の気温はマイナス12℃程度で、路面は圧雪なので走りやすい。
峠を越えると雪は激減し、アスファルトが現れ夏道のように乾いているが、気温はマイナス15℃程と下がらない。
除雪ステーションを出ると後方から見える車のヘッドライトに、この時間であれば同じ場所を目指す釣り人かと考えつつ、国道脇の駐車場にイノケンさんの車を確認し、その横に駐車すると後方からのあの車も私の横に停まった。キッシーさんである。
まだ暗かったが東の空が明るくなっていて、この日の晴れ予報が空の様子からも見てとれる。
例年マイナス25℃にもなるので、この程度の気温では寒いとは思わない。
出発して間もなくKさんが着いて来ていないことに気付き、他の釣り人数人を先に行かせてからKさんと合流したので、イノケンさんとキッシーさんは遥か先に見えなくなってしまった。

新兵器のライトは強力
2週間の間に水位は3m以上も低下して、それでも例年に比べると
まだ随分高かった。
場所の選択もテントの設営も人任せに休み、気付いたときには全ての準備が整っていたというほど、この日は絶不調のスタートだった。
しかも、肝心のワカサギが全く釣れず、先週も似たような展開だったなあと思っているうちにあっという間に時間は経過して、いつしか日が昇り始めた頃になってようやくキッシーさんにこの日の一匹目のワカサギが釣れると、私たちの竿先にも俄かにワカサギの反応が出始める。
イノケンさんは朝からほとんど外を巡って穴あけやワカサギの調達に奮闘していて、私の穴と竿立もイノケンさんによって準備されてい
て、さっそくワカサギをエサに仕掛けを水中へ下ろしていく。
前回はこの作業中にアタリがあったので期待しながら、とりあえず3本の仕掛を下ろすが反応はなかった。
キッシーさんが電動リールを使っていたので、前回も用意していたのに使わなかった自作の電動リールを使ってみようと思い立つ。
実はこのリール、昨年の3月に製作したものだが実釣は今回が初めてだった。
使ってみた感触は、巻き上げ速度が速すぎること、クラッチのネジが緩んでいて時々空回りなどのトラブルがあったものの、手直しすれば思っていたよりも使えそうだった。
9時頃には5本全ての竿をセットしたが、未だサクラマスの反応はなし・・・。
しかも、ワカサギもポツポツ程度以下の厳しい状況が続いていた。
9時22分、仕掛を点検していたキッシーさんから、ラインが斜めに引かれているとの声が上がった。
さっそく駆けつけて動画撮影を始めると、ウルトラライトロッドがバットから均一に曲がっていて、確実にサクラマスがヒットしていることがわかった。
やがて、穴の中から元気なサクラマスが真っ白な雪上に飛び跳ねる。
この日は、ワカサギもサクラマスもキッシーさんが初ゲット!
10時、私はカメラを片手に湖の岸際にある切り株の上に残された氷と雪の造形を見るために散歩に出る。
湖上は水面の硬い氷の上に積もった雪が固まっているので歩きやすく、足跡は
キツネのものしか見当たらない。
テント群と釣り人が僅かに確認できる遥か遠くまで歩いた頃に目的の自然の芸術品がいくつもみられたので、ここでしばしの撮影タイムをとった。
来た道を引換えしていたなら5分もあれば戻れるが、楽
をして戻ろうと直線コースを選んだのが失敗だった。
途中から積雪が40cm以上もある場所が続き、10歩進んでは休憩を繰り返すという大変な道を抜け出せず、なかなかテ
ントにはたどり着けなかった。
息は絶え絶え、足の筋肉はパンパンになって、ようやくテントから一番遠くにある自分の仕掛けまでたどり着き、竿の横
に座り込んでしまった。
しばらく休んでから仕掛けの点検をしていくと、3番目の仕掛けが上げられていた・・・・・ということは、私の留守中にこの仕掛けにサクラマスが・・・??
テントに戻って聞くと、キッシーさんが私の仕掛けのラインの異常に気付いてKさんが巻き上げたが、糸ふけが大きくて軽かったそうだが、やがて強い引きが伝わり、サクラマスが顔を出したと言う。
外にあるソリの日陰部分に、すでに凍りついた30cmを超えるサクラマスが置いてあった。
同じく私の留守中にはイノケンさんも一本目を釣り上げていたので、全員の仕掛にはヒットしたことになるが、私はサク
ラマスの引きを味わっていない。



外は青空が広がり、手つかずの大自然のなかに釣り人のテントや野天釣りの人たちが静かに釣りを楽しんでいる。
ワカサギ釣りは軽いオモリを使っているので、約17mの湖底まで落とすには30秒程度を要するが、反応はすぐに現れ
る。
しかし、お昼近い時間になるとなかなか乗らず、釣果は相変わらずだった。
イノケンさんがそれぞれの釣り場の情報収集に出かけるが、どのポイントも大差はなく、ワカサギもサクラマスも釣れな
い日のようだった。
お昼になると各自が持参していたガソリンストーブでお湯を沸かすために点火したので、テント内は暑いくらいに気温が
上昇する。
         

13時50分、3人で一斉にサクラマスの仕掛けの点検に出かけたところ、キッシーさんの仕掛けが斜めに引っ張られてい
ると言う。
早速動画撮影しながら見ていると、同軸リールなので釣れているのか見た目には判別できない位の高速巻きである
が、巻き上げ速度は速くないようだった。
しばらくすると、穴の中からオモリが見えたと同時にサクラマスが飛び出す。
キッシーさんは、すかさず型の良いサクラマスを足元にして竿を片手にカメラに向かってポーズをとり、2本目のサクラ
マスは自分が釣ったとアピールする。
14時半過ぎの点検時には、今度はイノケンさんがラインが斜めになっていると教えてくれて、さっそく動画撮影をしながら駆けつける。
ヒットを確信したイノケンさんはカメラの到着を待っていて、ここで合わせを入れると竿先が大きく曲がる。
やがてオモリが見えると穴の中で暴れるサクラマスが見えて、慎重に引き上げ無事ゲット!
すでに太陽が雲に隠れているので日が当
たらず、風も吹きはじめたために体感気温は随分寒かった。
テント内で15時までワカサギ釣りをしながら片づけをはじめ、15時に最後の点検をしたときには誰の竿にもサクラマス
は釣れていなかった。
太陽が山際に隠れる直前に片づけが済み、すでに半分以上の釣り人が去った釣り場を私たちも後にする。

         

陽が射さない湖上には刺すような風が冷たかったが、林に入ると風はやみ暖かくさえ感じるが、林の中の道は登りが
多く少々息切れしかける前に駐車場に着いた。


相変わらずワカサギの型は良いが釣果はイマイチで、サクラマスもこれが例年の数なのだろうが、昨年の爆釣を味わ
いつくしているだけに不満が残る釣行となった。






 ■ 氷上の鮭鱒初ボウズに泣く

1月23日 先週は全てを人任せにした自分が悪い、と反省して張り切って出発。
今回はモリさんが参戦する確立65%とのイノケンさんからの連絡で、久しぶりに不思議なギャグを楽しめるかもしれないと期待していた。
集合時間に現地駐車場に揃ったのは私たちとイノケンさんで、待つことなく直ちにソリを引いて出発。
気温はマイナス6℃と随分暖かく、それでも東の空は明るくなり始めていて晴れそうな空模様だった。
林を抜けると湖の水位が見た目でもわかるほど下がっていて、残された氷が荒々しく残されている。
先週からほとんど雪が降っていないので湖面はツルツルになっていて滑りやすいと思ったら、さっそくイノケンさんが転
倒!注意せねば・・・と思っておるうちにもう一回イノケンさんが転倒・・・ふざけているのではなく、本当に滑っていたよう
だった。
今回は、初釣行のときに爆釣したポイントで、湖上は強風が吹いていたので試し釣りをすることなくテントの設営をする
ことになり、イノケンさんのテントにお邪魔させていただく。
不用意にテントを広げると飛ばされてしまうほどの強風だったのでペグ打ちをしてから広げることにして、ようやくテントが立った時にモリさんがノースガード9を背負って登場!
モリさんは私たちの横を通り過ぎ、湖の沖まで探して戻ってきたらしく、この時はイノケンさんのコールマンオートが立ってしまっていたのでモリさんのテントが開かれることはなかった。

遅れた要因は、いつものお腹が暴れだす朝の恒例行事だったようだが、生憎モリさんは携帯電話が故障中で連絡は
できなかったらしい。
今回はさっそく自分でサクラマス用の穴を決めて自分でドリルを回すが、途中からモリさんが手伝ってくれた。
氷上は全くと言っていいほど雪がなかったので、竿立て用の穴も必要で結果的にはモリさんの力を借りることになる・・・。
テントに戻り仕掛を下ろすと、この日はすぐに反応がある・・・やはり型の良いワカサギが感度良く釣れてくる。
改良した電動リールが快適で、調達したワカサギでサクラマスの仕掛を急ぎ3本投入。結果的にはボウズだったので急ぐことは全くなかったのだが。
その後、残り2本の竿もセットしたので、あとはサクラマスがヒットするのを待つばかりだった。
この日はモリさんが絶好調で、次々にワカサギを釣り上げている。
彼はサクラマスの仕掛をテントの近くにセットすると、強風の中にもかかわらず外でワカサギ釣りを始めてしまった。
そして8時過ぎ、4匹のワカサギが連なった釣果をみせてくれたモリさんは、この釣りには自信があると大きな体を揺す
って威圧しているようにもみえる。
そのすぐ後にはイノケンさんがこの日初となるサクラマスを釣り上げ、10時半に2本目を追加する。

          

11時18分には、ついにモリさんにサクラマスがヒットする!
全身を屈伸させながら巻き上げ、その視線は穴に釘付けになっていて、私たちの声が彼に届いているのかいないの
か、サクラマスが穴から顔を出しているのになかなか引き上げない・・・。
どうやらリールのトラブルらしく、モリさんは穴に手を突っこんで引き上げようとしている。
イノケンさんがオモリを持って引き上げるように教えると、我に返って引き上げ無事ゲット!
ハイタッチをした後は右手を高々と上げて、感無量に空を仰ぎ見る・・・・・。
彼ほど氷上のサクラマスを釣り上げて喜んだ釣り人はいなかろうと思えるほど、その姿は私たちの胸の奥底まで彼の
感動として響いてきたのである。
           

一方ワカサギだが、先週とは比べ物にならないほど快調に釣れていて、ダブル、トリプルと釣れる時もあったほどだっ
た。
しかし風は弱まることはなく、気温は高かったが外は寒かった。
15時過ぎまでサクラマスのアタリを待つも、私には一度だけ仕掛を投入してすぐにアタリがあったが、エサだけなくなっていたのみだった。
周囲でもサクラマスの反応は少ないらしかったが、イノケンさんは4本のサクラマスを釣り上げていたので、おそらく竿頭だろう。
それにしても、この日はウグイが多かったのでメンバー全員では二桁の釣果となってしまった。
15時半過ぎには釣り場を後にする。
風は湖上だけ吹いていたのか、林も国道も穏やかだった。


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