11月の釣り Ver.1



 ■ 徹夜でシシャモ釣り

11月7日 イノケンさんから聞いたシシャモ釣り、まさか自分が行くことになろうとは思いもよらなかった。
先日食べたオスのシシャモは10尾で880円。本物のシシャモは、私が経験した釣り魚のグラム単価では最高級である。
今回はアキアジが釣れ始めている今週末と、シシャモが好く釣れるのは今週末が最後という悩ましい選択に迫られる。
しかし、ここで鶴の一声「アキアジ釣りには行かない」。私としてもシシャモ釣りは大変魅力的だったので、背中を押さ
れた気分で出撃が決まった。

土曜日の仕事を終え、即出発!
この日すでにお昼頃から現地入りしたというイノケンさんは、日中は釣れなくて苦戦しているらしかった。
ナビでは22時45分頃の到着と表示されているが、実際には休憩時間や買出しの時間が加算され、短縮される時間を
引いても23時頃かなとイノケンさんに到着時間を知らせる。
しかし、ナビの到着予想時間はみるみる早くなり、霧の中に目的の港があと10分と近づいた頃には1時間近くも短縮さ
れていた。
22時近い時間にもかかわらず港は釣り人で一杯になっていて、ぐるっと一回りした最後にイノケンさんの車をKさんが発見。
イノケンさんは夜の部に入ってからは好調に釣り続け、早くも3桁釣っていると言うからさすがである。
今回用意したのは、15年以上も前に購入した12V用のハロゲン投光器と、福袋に入っていた3.6mの柔らかい竿に針の大きなサビキ仕掛けとエサのイソメである。
こんな簡単な道具で繊細そうなシシャモが釣れるのか、懐疑的にイノケンさんを見守っていたところ、すぐにシシャモが姿を現す。
いとも簡単にシシャモが釣れてしまっていた・・・。
道具の準備をしてから少しだけ釣りをして、その後は一杯やって仮
眠を2時間ほどなどと考えていたが、仕掛を下ろすといくらも経たないうちにシシャモが釣れてしまった。
更にオオマイやキュウリなども釣れるので車内でのんびりしている暇などなく、一人2本づつの竿に適度な間隔で反応がみえるのである。
ただ、シシャモのアタリは微細なものが多く、ほったらかしにしておくといなくなってしまうことも多い。
ヒットしてもその引きは弱く、チカのようにグイグイ引きが伝わるようなことはまずない。あってもそれは弱弱しく、魚の引きを楽しむとまではいかないだろう。
シシャモのオスはヒレに特徴があるのでわかりやすいが、メスはチカとさほど変わらない姿をしている。
しかし、シシャモはやや黒っぽくて口が大きいので判別はできる。
ほとんどが一匹づつだが、2匹3匹と複数匹釣れることもあり、そのときばかりは若干重く期待を込めての巻上げとなる。
霧は晴れることなく、濃くなったり薄くなったりを繰り返し、気温はここ数日の暖気のお陰で寒さはほとんど感じない。
気がつくと0時を回っていて、このまま徹夜で朝を迎えようと話していたが、睡魔がいつ襲ってくるのかわからないので
眠くなった場合はすぐにでも横になろうと考えていた。
置き竿でアタリが遠のくと手持ちで誘う、イノケンさんが言っていたワカサギ釣りの経験を生かした釣りが有効で、手に持っているとシシャモのアタリが明確に伝わってくる。
4時頃には反応がなくなってしまい、近くにいた地元らしき人たちは納竿してしまっていたが、私はむしろ夜明けを目と体で体感したくて続けていたのかもしれなかった。
更に濃い霧が出ていたので夜明けは遅く、この頃になるとKさんもイノケンさんも意識を失っていて、私一人でぼんやり
と空が白み始めていると感じる程度の感動の薄い夜明けとなる。

オスとメスのダブル
この少し前から竿を出していた地元の方が照明もなしにポツポツと釣っていて、この釣り人の動きが気になっていた。
照明を落としてその方に釣れる訳を聞くと、すぐに極意を小声で教えてくれ
たので、さっそく言われたとおりの釣りをする。
朝マズメの釣れる時間帯ということもあってか入れ食いに釣れ始め、片方の魚を取り込んでいるうちにもう一方の竿先が動いているといった具合に忙しかった。
しかしそれはほんの僅かな時間だけで反応が消えてしまい、その後は誘いながら少しだけ釣れる程度になってしまい、やがて全く釣れなくなって
しまった。8時には180匹近くのシシャモを釣ったイノケンさんが納竿し、この時にシシャモを一袋プレゼントしてくれた。

         
        朝になると再び賑わい始めた
Kさんがダウンしたままだったので、ゆっくりと道具の手入れをしながら片付け始め、最後に残った竿を持ち上げたとこ
ろ生命反応があった。
しかしシシャモとは違った反応で、その魚はダブルで掛かったナガガジのような細長い不気味な魚だった。
釣り場を後にして、ガソリンの補給を済ませてから少し足を伸ばしてみる。

            
         別保コミュニティ葉菜海鮮                         多目的施設
これも今回の旅の予定に入っている、別保公園にある仙鳳趾(せんぽうし)の牡蠣を食べるのが目的だった。
北海道のカキは厚岸や佐呂間が有名だが、仙鳳趾のカキは知る人ぞ知る美味しい牡蠣という。
別保公園の敷地内にある別保コミュニティ「葉菜海鮮(はなかいせん)」では手軽に大振りの牡蠣料理が食べられると聞いていた。
しかし、牡蠣単体で楽しむ料理は蒸し牡蠣しかなく、他には牡蠣ラーメン、牡蠣そばだけである。
昼食前だったので蒸し牡蠣を食べてみた。
牡蠣は身の大きさが10cm以上もあり一口ではとても食べられないほどだが、2個280円とリーズナブル。
味付けは何もされていないのに丁度よい塩味で、これなら何個でも
食べられそう。
生で食べてみたかったので1個90円の大振りの牡蠣を買って、昼食はシシャモ寿司も味わえる寿司屋に寄り、お腹が
一杯になると急に睡魔に襲われる。
本当は釣具店など寄りたいところはたくさんあったのだが、道の駅まで何とか走り仮眠をとった。

             

2時間ほど寝てから長いドライブを楽しみ、士幌町の温泉施設のある道の駅で休憩をとり、夕食は上士幌町の味処「金
亀亭」で済ませてからの出発となった。

初体験のシシャモ釣りは想像通り楽しく、すっかりこの釣りにもはまってしまいそうな予感・・・すでにはまってしまってい
るのだろう、来年が待ちきれない。





 ■ 網上げ後の爆釣の予定が・・・

11月13日 全てのアキアジ網が上がったわけではないが、今週末は釣れるぞと期待したとおり、この日から釣りをしていたイノケンさんから5本釣ったとの連絡があった。
ただ、イノケンさんが金曜日に来て数釣りをした翌日は・・あまり釣れないということが過去に数回あった・・・。
翌日は荒れ模様という天気予報だが、現地に着いたときは雨も風もなく穏やかな海だった。
予定よりも早く到着したので、軽く一杯やってから仮眠していたイノケンさんを車内に招いてこの日の話を聞いた。
前夜から待機している釣り人は少なく、静かな夜だった。


11月14日 起きたときには雨が降っていて、風は斜め前から吹いていた。
メンバーは師匠とイノケンさん、そして私たち夫婦の4人だった。
夜明けとともに釣り人の数は増えてきて、雨など気にしている様子はなかった。
朝マズメは全くアタリもなく、周囲でも僅かに3本ほど釣れただけの厳しいスタートとなった。
そして次第に風が強くなり始めたので、重いルアーを使って何とかポイントにキャストすることはできるという厳しい釣りだった。
仲間内の一本目はイノケンさんで、食い渋ったようなアタリだったと言う。
メスだったがイクラが出てくるほど成熟した状態だったので、その後師匠が釣ったオスのお腹を押すと白子が出てきたので、イクラに白子をかけるなどして人工授精を試みていたほどだった。
10時半過ぎ、隣の人にヒットした直後、遠投して着水した直後にアタリがあった。
アタリと言うよりは微かに重くなったような微妙なものだったが、すぐに合わせのタイミングがやってきてヒット!
巻き始めるとすぐに海面でバシャバシャ暴れるほど元気なアキアジで、足元まで寄せてもまだ暴れているほどのファイターだったが、魚の状態はよろしくない・・・。
師匠にタモ入れをしていただき、ようやく一本目をゲット!
魚は生かしたままスカリに入れておいたので、いつでもリリース可能だった。
その後師匠が2本目を釣り上げたが、あまりの強風に車内で様子を見ることにする。
昼食を食べてのんびりしながら、先日Kさんが買ったばかりのガラスの仮面44巻をじっくり読んで、ラジオを聴いたり転
寝をしたりして過ごす。
時々車が揺れるような突風が吹くので外に出ることもなく、気がついたときには15時近くになっていた。
結局、この後も釣りをすることなく別の釣り場へ移動して、そこではマルさんがニシン釣りをしていたが場所だけ確保し
て買出しに出かけた。
買出しから戻って師匠と3人で夕食を食べながら軽く一杯やって、床に就いたのは20時前という早い時間だった。


11月15日 泊まりこんで迎えた釣り場だったが、暗いうちに釣り場を探していたらしい輩に悪戯をされていて、幸い被害
はなかった。
十勝方面に出没している悪さをする連中は、その場に待機している釣り人の道具には手を出さないというので、新たな
犯罪グループなのかもしれない。
釣り場がないからといって、すでに待機している釣り人を恨んでみても仕方がなかろう・・・。人より早く来るか、来られないなら我を恨むがよいだろう。
この日のメンバーは師匠、ウルシさん、そしてアキアジ釣りではないがマルさんと私たち夫婦である。
マルさんはひたすらニシンを狙っていて、昨日は30センチ近い型ものを数匹釣っている。
薄暗い時間帯に2本ほど釣れていたので、釣り場全体が活気を帯びて皆さん真剣だ。
しかし期待通りにはいかず、それでも昨日とは違って風はほとんどな
く、時々パラパラと小雨が降る程度だった。
「きた!」と言うマルさんの声に見ると、マルさんはゆっくりと慎重にリールを巻いていて、竿先はさほど曲がっていない。しばらくして、ニシンがダブルで上がってきた。
マルさんの粘り勝ちともいえるような立派なニシンに、私はしばらくの間はその動きに釘付けになっていた。
しかし、この日のマルさんは絶好調でニシンを数本釣って見切りをつけた後、1年前のエサだから釣れないのかなあと言いながら突如アキアジヒット!
私は、マルさんのタモを使ってタモ入れをするはめになった。
その後はお約束の師匠のファイトを見学して、これは雨のために動 
画撮影はできなかったがなかなかの銀ピカだった。
私が車に戻っている間にはkさんにアタリがあったが、巻き上げるときだったのでヒットには至らなかったらしい。

         

9時20分過ぎのこと・・・ウルシさんや師匠とおしゃべりに夢中になっていたときだった。
私のロッドがグィと引っ張られたので、誰かがラインに引っ掛けたかなと思いつつもさほど気にせずウキは見もせずリ
ーリングを続ける。
するとまたグイグイと引くのでこれはもしかしてとウキを探したが、ウキを発見する前に合わせのタイミングが来てしまった・・・ヒット!
俺の出番だと言うウルシさんにタモ入れをしていただくが、足元まで寄せてもやはり魚体に銀鱗は見えず、それでもうれしい一本をゲットした。
前日釣った墨絵のようなアキアジに近いブナオスだったが、師匠に教えていただいた鮭フレークを作ろうとキープすることにした。
この後、ウルシさんのお友達のツカさんが別の釣り場からやってきて、師匠の隣に入釣する。
釣り場にはアキアジ以外にもチカ釣りをしている人がいたので、小ニシンなどが打ち捨てられていた。
このニシンを見てウルシさんはひらめいた!これをエサにしたら釣れるのでは?と・・・。
その頃Kさんは寒くなってきたしアタリもないからもう止めようと言いかけたいた。正(まさ)しく10時42分のことだった。
一番左側にいたマルさんにヒット!そしてウルシさんが「おい、あたってるでや・・・」、Kさんは頭の中で「アタリは私に来てるんだよ、ウルシさんなんでわかるの?」
その直後に二人ともに合わせを入れたが、ここで運命の別れ道・・・ヒットしたのはKさんだけだったのである。
ウルシさんはエサにつけたニシンが大きすぎたのかすっぽ抜けてし
まい、Kさんの写真を一枚撮ってから私がタモ入れをした。
このメスはイクラではなく筋子が入っていた、いわゆるまあまあのアキアジだった。
好調のマルさんは2本目となり、あまり表情を変えない人だがいつになくにこやかだった。
しかし、11時25分には再びやってきた大きな群れにウルシさんとツカさんも同時ヒットして、無事に二人ともにネットインしていた。
ツカさんは自分が釣り上げた魚がメスだと気付き「ブナだからウルシにやろうかと思っていたんだけどやめた」などと言っていて、「失礼なやつだな」とウルシさんは憤慨していたのは笑えた。
これで仲間全員がゲットしたので、釣れる数は少なかったが理想的な一日となった。
午後からは全体的にも時々しか釣れなくなったが、13時前にこれまた銀ピカを師匠がゲットする。
この日は14時半に納竿と決めていたので、もう終わりかと諦めかけていた14時少し前だった。
足元近くでふいにアキアジのアタリがあり、合わせのタイミングも充分だった
つもりだが乗らなかった・・・クネクネとした銀ピカの魚体が海中に消えていき、納竿時間がやってきたのできっぱりと片
づけを始める。
釣り場を後にして道の駅に寄り、外海を見ると高波が押し寄せてきている様子が見えた。
まだ雨がパラついていて気温は低くなり始めていたので、帰り道は雪だろうと覚悟していたが、高規格道路上は僅かし
か雪がなく走りやすかった。

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