9月の釣り Ver.2



 ■ オホーツクのアキアジ本格化

9月11日 ここのところ先週と変わらない貧果ばかりの情報にようやく変化があったが、激変とも言うべきこの釣り場独
特の釣れ方をしていることに期待が高まる。
しかし、先行していた仲間によると、この朝は波が高く釣りにはならなかったそうで、翌日には収まるという予報を信じる
しかない。
そんな夕方の出発となるが、この時期すでに陽はとっぷり暮れていた。
現地着は21時40分、河口の駐車場はこの時間なら釣り場に近い場所に駐車できるかもしれないと思ったが、結局は道
の駅に車中泊することにした。
メールでメガ民宿の仲間と翌朝の打ち合わせをして、思っていたよりも静かな時を過ごした。


9月12日 目覚ましよりも早く目覚め現地に向かうが、駐車場の周りは釣り人の車で溢れかえっていた。
ここで荷物を降ろし、やや遠い駐車場に車を停めてからKさんと二人で歩き出す・・・・・駐車場の混雑を見て予想したとおりの激混みの釣り場を尻目に、歩きやすそうな砂の道を探して奥へと進む。
しばらく歩いてから合流する仲間と連絡を取り、さらに歩いて釣り場に到着!程なくしてメガ弟さんと鶴岡選手が到着した。
今回は私が4本、Kさんが3本の竿を出すので準備は慌しく進められ、4時半前にはすべての竿をキャストし終わり、気がつくと美しい朝焼けが見え始めていた。
すでに周囲の釣り人は臨戦態勢に入っていて、その後も次々に釣り
人はやってきていたが、このポイントの奥も見る限り釣り人で埋まっているようだった。
一息ついた4時半だった。メガ弟さんの竿に反応があったのだが、消えてしまった直後に私の竿先が揺れている・・・砂
浜ダッシュしてラインにテンションをかけて大きく合わせを一回!ナイロンラインはドヨーンと伸びるが、最後に根掛りの
ように止まるのでヒットと判断できる。
薄暗いうちからの無意味な遠投かと思っていたがそうでもなかったようで、3分の2位までは軽快に巻き上げ寄せたものの、アキアジが抵抗し始める残り3分の1から腕の力が入らなくなる。
左右に少しの間走るアキアジをいなして波打ち際から一気に引きずり上げると、待ち構えていた仲間が蹴り上げてくれた。
レギュラーサイズの銀ピカオスをゲット!
ここで気遣いのKさんは隣の人の仕掛けがこちらに流されるので、2本の仕掛を上げてしまった。
しばらくしてから、私の一本のハンドルを付け替えたので2本態勢になる。
ここから少し竿先を見つめる時間があり、次はどの竿にヒットするのか薄暗くて私には見えにくい時間帯が過ぎて、ようやくくっきりと竿先が見えるようになってきていた。
4時51分、再びメガ弟さんの竿に反応が・・・しかし今回も何故かフッとアタリは消えて、片手持ちに竿を構えるメガ弟さんをよそに私の竿にアタリ・・・駆けつけたときには完全にヒットしているのだろう、竿
が3分の1ほど曲げられて動いている。
Kさんが動画撮影を始め、メガ弟さんは「これも俺の魚だよ!」と、不満を木槌で砂に叩き込んでいるなかでの笑いながらのファイトだった。
そして波打ち際に引き上げたアキアジを鶴岡選手が蹴り上げ、今度はメガ弟さんが高々と3m以上も蹴り上げてゲットとなった。
メガ弟さんから木槌を手渡され魚を〆て見ると、なかなか良型の銀ピカオスだった。
その直後の4時54分、鶴岡選手にヒット!
私は動画撮影しながら駆けつけて、後方から見守る・・・ルアーロッドのように投げ竿を扱う鶴岡選手のファイトは迫力が
あった。
途中一瞬軽くなったのでバレたかと本人は叫ぶがまだ魚は掛かっていて、木槌を持ったメガ弟さんがラインの先を注視
しながら魚の行方を追っている。
鶴岡選手は他の竿の上を何度か被せるように移動しながら魚が近づくと波打ち際に近づき引き上げ体制に入るが、近くのおじさんがしきりに「バック、バック・・バック、バック」と太平洋で聞き覚えのある言葉を言っていた。
波打ち際に魚が見えたときに一気にバックして、メガ弟さんが蹴り上げる手はずだったのだが・・・何と!ここでフックアウト!
すぐにメガ弟さんが駆けつけてアキアジを蹴り、竿を持ったまま猛ダッシュしてきた鶴岡選手も入り乱れて蹴る!蹴る!蹴る!
鶴岡選手の安堵した「セーフ!」の声がして、凄い取り込みを見て撮
影してしまった感動が胸を打つ。過去に知床でこんな光景を見たことがある。
興奮冷めやらぬ4時59分には、再び鶴岡選手にヒット!
Kさんが動画撮影をして、「アキアジ釣り最高!」と言いながらゆっくりと巻き上げる鶴岡選手に、波打ち際近くで指示
を出すメガ弟さんはこの時も木槌を片手に振り回して「巻いて巻いてー!」と声を掛けていた。
そしてあっという間にアキアジが現れてメガ弟さんが数回蹴り上げてゲットすると、近づいた二人に砂をかけて最後の
抵抗をするアキアジだった。が、その時には鶴岡選手の別の竿にヒットしていたのである。
私はこの時すでに自分の竿に反応が見えていたので、竿に向かって走っていた・・・・・鶴岡選手が合わせを入れて巻き始めたとき、撮影していたKさんに鶴岡選手が私のヒットを教えていたのである。
えー!と言って振り返ってカメラを向けたとき、丁度私が合わせを入れる瞬間からの私のファイトシーンが撮影されることとなった。
鶴岡選手のアキアジは横走りしていたので、まさかそれが私のアタリだったのか?などと巻いているときに軽くなったので考えてしまったが、再び確かなアキアジの引きが伝わったのでそうではないことが
わかった。
鶴岡選手のアキアジが上がった頃、ようやく私のアキアジが近くで抵抗する姿が海面に見えてきた。
波打ち際の波はベタ凪に近いのでそのままズルズルと引き上げると、銀色の魚体が朝日を反射して美しく輝く。
Kさんが撮影を続けながらアキアジに近づきラインを持って引き上げ、この日初のメスをゲットした頃、山際から朝日が
昇り始めていた。
5時08分、休む暇がなかった・・・Kさんにヒット!
駆けつけて動画を撮りながら見ていいると、左手にロッド、右手でハンドルを回している姿は実に扱いにくそうに見えるが、当人は左利きなのでこれがいいのだそうだ。
と思っているうちに魚が波打ち際に現れたので、私が駆け寄りラインを持って引きずってきた。
まずまずの良型オスだったが、先ほど私が釣った魚の処理も済ませ
ていない状態だったことに、写真を撮っていて気付く。

5本のアキアジ
この後、一本目の処理を済ませたところで再び私にヒット!
ここまで来るとこの時はどんなアタリだったかとか、引きがどうのと記憶にとどまってはおらず、残された写真から銀ピカの良型オスだったことだけを知ることができる。
この後はピタリとアタリが途絶えて落ち着きを取り戻したが、おおよそ1時間のめまぐるしいヒットによってあちこち走り回り、ファイトを楽しむことができた。
爆釣はすべての釣り人に均等とはいえず、私たちの両隣では僅か一本しか釣れていなかった。
6時46分に鶴岡選手にヒットした魚ががなかなか姿を見せず、サメか?イルカか?と興奮するが、これは重量級のアキアジだった。
Kさんが志願して波打ち際に駆け寄り蹴り上げようとするが空振り・・すかさずメガ弟さんが蹴り上げると、「重たい!」の一言。
このアキアジはなんと7Kg近くもあり、鶴岡選手の今年一番のアキアジとなる。
しかし、この後は魚の食いが浅くなったせいか、7時16分にヒットしたアキアジは甘い合わせのためにフックアウト・・・。
7時35分には大型のアキアジがヒットしたのだが、波打ち際で急に走り出したパワーが並外れていたために6号のラインを簡単に切られてしまった。
7時38分、連続ヒットは、鶴岡選手のヒットからだった。
彼の動画を撮影していたところ、鶴岡選手が私の竿の動きを見ていてアタリを知る・・・Kさんが走って合わせを入れたのだが、やや甘かったのか掛り所が悪かったのかすぐに軽くなったと言う。
ところが、撮影しながら見ていた竿先の中の一本に反応が・・・メガ弟さんの竿だった。
メガ弟さん渾身の合わせに胴から曲がる竿を見てヒットを確信するも、何故かすぐに軽くなってしまったそうである。
更に7時45分、Kさんの竿にアタリがあり合わせたのだが、これもヒ
ットしたがすぐに軽くなってしまった。本人は合わせに失敗したと言っていた。
あまりにもアタリが多いと緩慢な合わせをしてしまい、好機を逃してしまったかもしれない。
逆に言えば、これ以上釣ってしまうと持ち帰れないので丁度好かった、と考えることにした。
この後、Kさんは上げていた2本の仕掛を投入して3本態勢に戻った。
朝マズメの最後は7時56分の鶴岡選手だった。
このアキアジはメガ弟さん、Kさん、メガ弟さんと、交互に蹴り上げて楽しんでのゲットとなった。
ようやく落ち着いたところにメガ弟さんの親戚だと言い張るあのおじさんがやってきて、先週私たちが釣っていた場所に入っているが、あまり釣れないので退屈しのぎに様子を見に来たと言う。
丁度よいタイミングだったので、2本のアキアジを持ち帰って頂いた。
メガ弟さんと鶴岡選手が納竿準備をしていた9時04分だった。私にヒット!
鶴岡選手が動画撮影をしてくれて、すっかり半袖姿になっていた私
が久しぶりのファイトを楽しみ、Kさんの蹴り上げでメスを釣り上げた。
更に10分後、今度はKさんにヒット!
しかし、超遠投してあったので一所懸命に巻いてはいるが手ごたえが感じられないのか、いるとかいないとか仲間と話しながらのファイトとなった。
次第に疲れてきてポンピング巻上げをしていたころになってから、アキアジの動きが伝わってきたようで「いるいる」、「遠い!遠い!」そんな会話が聞こえてきた。
ようやく波打ち際まで寄せては来たがアキアジの抵抗は何度となく繰り返され、満を持して駆け寄った鶴岡選手がいきなり尾びれを両手
でがっしりとつかんで持ち運び、「獲ったドー」と雄叫びをあげていた。
このアキアジのオスは隣の方が8kgを超えているんじゃないかと言うほど大きく見えたが、おそらく7kg以内だと思う。
このアキアジは、昨日仲間がお世話になったという親切な老夫婦への手土産となった。
一騒動が落ち着いた頃、メガ弟さんと鶴岡選手が納竿したので、私は魚を車に運ぶために同行する。

         
                                                日中はのんびりと
二人を見送り釣り場に戻ってみたが、その後は全く誰も釣れていないらしく静かな海が青い空に溶け込むように美しか
った。
この日は朝から日除けのタープを広げていたので、強い日差しは柔らかなものとなっていて心地好かった。
地面にシートを敷いて横になり、竿先を眺めているうちに眠ってしまったようだが、おそらくアタリはなかったのだろう。
竿先は真っ直ぐになったまま、オモリが砂に埋まっているだけである。
そんな調子でうららかな午後の時間を過ごしているうちに陽は傾き、そろそろ撤収かと片づけを始めていた17時ジャス
ト!
Kさんが一番奥にある竿を巻き上げたとき・・・なんか魚ついてるみたい・・・そう言いながら巻いていた。
実はこの竿、少し前に怪しい動きをしていたらしいが、面倒なのでほったらかしにしていたそうだ。
少し巻いたところでアキアジがヒットしていることが確実となり、ここから本格的なファイトが始まった。
動画撮影をはじめて間もなくアキアジは波打ち際に横たわっていたので、私が駆けつけてラインを引っ張り安全な場所まで移動させゲット!OMAのアキアジはまずまずの腹の太いメスだった。

          

片づけを済ませて駐車場に近づいた頃には西の空が赤く染まっていて、翌日の雨予報など信じがたいような空の色だ
った。
近くにある温泉で汗を流し、夕食は静かな道の駅でお酒とともに楽しんでから、早めに横になった。


9月13日 前日と同じ時間に目覚ましは鳴ったが、雨の音を聞くと30分後に目覚ましをセットしなおして横になった。
しかし、眠れずに20分後には起きていた。
ポツポツと降る生憎の天気だったので釣り人は少ないのかと思ったが、予想に反して激混みの駐車場に驚く。
前日と同じポイントに着いてみると、昨日はその奥も一杯になっていた釣り人の姿は見られず、やはり雨の影響がでて
いる。
最初に雨避けのタープを設営して準備を進めたが、昨日まで後方から吹いていた風が向かい風に変わっていた。
前日よりも30分ほど遅いスタートとなったが厚い雲に覆われた空は暗く、準備のために濡れた合羽がイスに水溜りをつくってしまうほどずぶ濡れだった。
投げ竿を手にするとついつい思いっきりキャストしてみたくなる私は、前日のようにフルキャストで竿を並べたが、竿数は一本減らしてkさんと各3本づつにしていた。
今日も軽くポンポンと釣ってやるかと余裕の高飛車に竿先を眺めていたところ、両隣でヒットが相次いだ。
そろそろ自分たちにも・・・・・そう思いながら様子を見ていたが、全く 
反応がないのである。
隣のご夫婦の奥さんは、推定私の3分の1ほどしかキャストしていないのに釣れている・・・。
波が高いときは手前を泳ぐのかと思い直して近場に仕掛を移動させるも、やはり反応はなかった。
気がついたときには右となりのご夫婦は4本、昨日一本も釣っていなかったポイントの左に入った人たちも4本釣ってい
たのである。
ボ・ウ・ズの三文字が頭に浮かび始めた頃、原点に戻るべきだと考えて超遠投に戻すことにする。
周囲でもアタリが消えた頃に、ようやく私たちの竿先に反応が出始めた。
竿全体がグワングワンと揺れるOMAヒットに合わせを入れ、難なく一本目を釣り上げてボウズは回避された。
まずまずの銀ピカオスだった。
10分後、再び竿先が動いていて、Kさんが釣ったのか私が釣ったのか忘れてしまったが、2本目はこの二日間のなか
で最も美しいメスのアキアジだった。
更に10分後、このアキアジもメスで型もなかなか良かった。

この後もアタリは続いたのだが、合わせも充分だったにもかかわらずバラシが多発して、最後に隣の方から教えてい
ただいたアタリでは確実にフッキングさせたアキアジを、波打ち際でライン切れさせてしまうといった大失敗もあった。
最後は7時半過ぎだった・・・Kさんがファイトをしているときに、私の竿にも反応があったのである。

       

ダブルヒットでゲットとなり、どちらも銀ピカで私がオス、Kさんがメスを釣り上げたのであった。
メガ弟さんが作ってくれた三脚にアキアジを吊るしたのは2本で、他の3本は網に頭を下向きに載せておくだけだった。
デジカメはレンズの中が曇ってしまい、この頃から使用不能となった。
約50分間の何故か二人だけの爆釣タイムが済み反応が消えたところで、アキアジを3本ソリに載せて知り合いのおじさんのところへ運ぶ。
おじさんはまだ釣っていなかったので喜んでくれて、おじさんの隣の釣り人は6本も釣っているので夕方まで帰らない、と燃えていた。
自分の釣り場に戻り次のアタリを待っていたが、向かい風が強くなり始め、周囲の釣り人も撤収し始めたので私たちも誘われるように片付け始める。
10時過ぎには駐車場に戻っていて、荷物は一旦そのまま車に積み込み、道の駅で
荷を解いて積みなおしをした。
市内で早い昼食を食べ、買い物をしてから近くの宅急便でアキアジの発送をする。
帰り道は途中から空が明るくなり始め、自宅近くでは太陽が顔を出していた。


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