
9月の釣り Ver.1
■ 奇跡のアキアジ釣り再び
9月3日 オホーツクのアキアジ合宿は夕方からの出発となった。高規格道路浮島インター入口付近からダンプカーが
建設中の道路に入っていく様子を見ると、長く続いていた工事区間もそろそろ開通が近いかと期待感も生まれてくる。
コンビニの出来立て弁当を購入して、夕焼けを眺めながらの夕食を楽しみ出発。

湖面が見える絶景ポイントではすっかり陽が落ちてしまっていたが、満月が正面に昇って湖面を輝かせていたので違
った美しさを見せてくれる。
市内に近づいたときだった・・・バックミラーに映る赤色灯は明らかにパトカーのもので、速度はさほど出していなかった
が更に落とす。
やっと手にしたゴールド免許が・・・と思っていたところ、私を追い越して更に速度を上げて行ってしまったのである。
ほっとしたところで市内に入ると、国道上で数台のパトカーが赤色灯を回していた。
横向きになった乗用車が一台不自然に停まっていて、先ほどのパトカーはこの事故の処理に急いでいたらしい。
市内のスーパーで食材などを購入して、20時半頃に合宿所到着!メガ弟さんの出迎えを受ける。
軽く一杯やってから布団に入るがなかなか寝付かれず、隣からいつもの指ポキ音が聞こえるうちに記憶は薄れ少しは
眠っていたのかもしれなかった。
9月4日 目覚まし前に二人とも起きてしまっていた。
未明に釣り場駐車場に到着し、メガ弟さんが目をつけていたというポイントを目指す。
今回のために購入したキャリーカートは砂の上を歩くときのみ背負って進むが、歩くだけでも辛いのに荷物の重量が次第に体力を奪いはじめた頃にはポイントに到着となる。
釣り人のいない場所取りがあったり、場所取りロープが三重にも張られているなど、相変わらずマナーとか常識とかが全く通じない世界がそこにはあった。
準備中に私たちの後方を歩いていたテントを張って一等地を確保していた二人連れの男性がいたが、何と!手をつないで通り過ぎたので、思わず私たちは「ホモの釣り人だ!」と決め付けてしまった。
手をつないでいるように見えただけかもしれないが、この一件で私たちはこの先もずうっと「ホモの人たち」とか「ホモの釣り人」と呼んでいた。
いつものようにメガ弟さんは一本の投げ竿しか用意しておらず、私は4時半には5本
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並べてルアーを始めたものの、ルアーは数投で断念したのは、解禁からここ最近の貧果を聞いていたせいだった。
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薄暗いうちに隣の方にヒットしたもののライン切れでバラシがあったので、この日も多少はアキアジがいることはわかっていたのだが・・・。
どうにも釣れそうな気がしなかったのである。
山際はオレンジ色に、空は紫色に色づいており、日が昇るのが近いことを知る。
4時48分、一番遠い私の竿先にアタリがあり、駆けつけて様子を見る間もなく合わせを入れる・・・メガ弟さんが期待した、後方にひっくり返って転倒するといった合わせには注意していたので、確かな手ごたえにヒットを確信!
遠投していたのでその反応はやや鈍いが、初期群らしい強い引きが伝わってきていた。
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4000番のリールは後半には体力が続かずバテ始めた頃、アキアジが抵抗し始め左に寄りはじめたので已む無くポンピ
ングしながらの巻取りとなった。波打ち際近くに寄せたところで、アキアジは沖に向かって走る!激しい水しぶきがこ
のアキアジのパワーを証明してくれている。
この日は波がほとんどないベタ凪状態だったので、寄せる波のタイミングなどかまわず引き上げて無事ゲット。
動画撮影をしてくれていたメガ弟さんが「あーいいじゃないですか、きれいですよ」と声を掛けてくれるなか、ズリズリと砂の上を引きずっていた。
砂だらけになったアキアジの尾びれをつかんで引き上げようとしたところ、急に暴れたので砂をたっぷり顔にかけられてしまう・・・。昨年何度も同じ失敗をしているのに、すっかり忘れてしまっていた。
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4kgオーバーの銀ピカオスで、メガ弟さんから貸していただいた木槌で〆て、さらにメガ弟さん特製の流木三脚にぶら下
げた。
その後、隣の方に再ヒットしたのだが目の前まで寄せたときにフックアウト・・・。
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このメガ弟さんの親戚だと言い張るおじさんは、これがこの日最後のヒットとなってしまった。
5時08分、次は2番目の竿に反応があった。
竿先が大きく揺れているので確実にアキアジがヒットしていると思われ、迷うことなく合わせを入れる。
ナイロンラインなのでドヨーンとした手ごたえだが、その重量感からアキアジのヒットは確認できる。
しかし、伸びるラインは時々本当にヒットしているのだろうかと不安になるほどのもので、3分の2ほど巻き上げ魚が近づく
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くと、それは確かなものに感じられてくる。
先ほどのアキアジよりは抵抗しなかったがこのアキアジも重く、同じように砂の上を引きずりあげ、更にメガ弟さんが昨年特訓したキックで高く蹴り上げてゲットとなる。
これも4kgは超えているだろう。
2本目を釣り上げたときに隣のおじさんがやってきて、昨日は全体で2本しか釣れんかったからもう昨日の分は釣れたよ、と教えてくれるほど解禁からの釣果は良くないらしい。
青空が一杯に広がった砂浜で過ごすのは気分が好く、河口では少ない釣り人が頑張っている。
反対側を見ると、こちらも人気ポイントと聞くはるか遠くの湾に10人以上のルアーマンが竿を振っていたが、この日は1本しか釣れていなかったと後から聞いた。
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そんな話を聞いていると私の2本は奇跡的な釣果であり、これ以上望むものは何もないと思っていた。
2本のアキアジはしばらくの間吊るしてからどうしようか考え、結局砂に埋めることにした。
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隣のおじさんが「今日はもう釣れんな・・」と言った6時21分、何と!竿先に反応が出ている・・・。
すぐに駆けつけて竿を水平にして巻き取り、一気に合わせを入れる・・・ヒット!
時々動かなくなるほど重くなるので根掛かりかと思ったが、どうやら大きなアキアジらしい。
腕がだるくなってきた頃になんとか波打ち際まで寄せて、そのまま引っ張り上げてからメガキックでゲット!
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やや縦縞の入った大きなオスで、仕掛けはせっかく用意してきたからと無理やり使用していたマス用の仕掛だった。
その後、メガ弟さんがロッドを一本片手に河口に出かけて行き、ウキ仕掛けに反応があったが合わせには至らなかったと帰ってきた。
しばらくすると河口にいた釣り人の姿が極端に減ってしまったが、私たちの目の前数百メートルではアキアジが時々跳ねを見せていた。
日差しは強かったが、気温は上がらず過ごしやすかった。
再びおじさんが「今日はもう終わったな・・・」そう言って間もない8時11分だった。
私の目の前の竿に反応が・・・竿先は完全にアキアジのアタリそのもので、アタリと言うよりはヒットである。
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合わせを入れるとズンと手ごたえが感じられ、ヒットを再確認したようなものだった。
さほど大きな抵抗もなく、スルスルと巻き上げてランディング成功。またもやオスのアキアジである。
8時36分、私の一番奥の竿に再び反応が見えた。
これもOMAで竿先というよりも竿全体がガクンガクンと揺れていて、アキアジに間違いはない動きを見せていた。
この魚は意外にファイターで、朝一番の時ような強い引きを感じながら連続ヒットの夢心地に浸っていた。
しばらくの間巻き続けているとやや左に魚が走り、ベタ凪の海面にアキアジが姿を現し再び潜ってしまった。
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しかし、すぐに波打ち際にその姿が見えてきて、波打ち際でもアキアジの抵抗は続くが、そのまま砂の上まで強引に引き上げた。
隣のおじさんが「またオスだわ!」と言っている間に、自分で魚まで駆け寄って仕掛を持って引きずって5本目が釣れた。もちろん、最後はメガ弟さんのメガキックでフィニッシュ!
さほど大きくはなかったが、それでも4kg近い銀ピカのオスだった。
実はこの日、近くでカラフトマスは1本釣れていたのだが、アキアジは私だけしか釣れていなかったのである。
この奇跡はメガ弟さんの野性的な場所選びによるもので、5本出していた竿の4本にヒットしていたから、運にも恵まれていたと思われる。
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その後はアキアジの跳ねも滅多に見られなくなり、10時には片づけをはじめ納竿となった。
釣り場はすっかり釣り人が減ってしまい、残っているのはホモの釣り人二人だけとなっていた。
アキアジは任せろと言うメガ弟さんのソリで運んでいただいたが、さすがのメガ弟さんでも砂の上を引くのはきつかったらしい。
駐車場を出発してから近くの町まで買い物に行き、その町で昼食を済ませてメガ民宿に戻った。
民宿の外の洗い場を借りて魚の処理を済ませ、休憩してから温泉に出かけ
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た。汗を流してすっきりして民宿に戻り、再び休憩していると夕マズメの時間が近づいてきた。
15時半にはメガ弟さんの車に再び便乗し出発!
すっきりと晴れた秋の空とジャガイモ畑の緑が美しく、気温はやや暑く感じるほどに上昇していたが、窓を開けっぱなし
にしていると少々寒いのは秋らしい。
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今回はキャンプ道具も持参しなければならないので荷物は極力必要なものだけを厳選したので、竿も一本減らすことにする。 |
釣り場に着いてみると私たちが朝に入っていた場所はホモの人たちがしっかりと入っていたので、私たちはその少し奥の朝マズメにホモの人たちが入っていた場所に入ることにした。
テントなどの準備から始めた私だが、メガ弟さんは何
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故か巨大な三脚を立てることから始める。
結局、キャンプの準備に多くの時間を費やしてしまったので、夕マズメは釣りなんかしなくていいねと話し合ってのんびり
していたところ、目の前近くでアキアジが跳ねたのである。
すぐに一本づつ竿を出して待ったが、暗くなるまでは残り30分しかなく、期待は簡単に裏切られる形となった。
暗くなってからラーメンを食べに行くことになり釣り場を離れ、初日の疲れと睡眠不足をあっさり味のネギ塩ラーメンで癒し、釣り場に戻った。
海辺でのんびりとくつろいでいたときに稲光が見えて遠雷が聞こえ、やがて雨がポツリポツリと降ってきた
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のでテントに入ることにする。
雨は降ったり止んだりだったが、外に出る気力は失せて寝ることにする。
しかしどうしたことか寝付かれず、そのうちに鼻づまりに悩まされているうちに遠雷がステレオになって鳴り響くと雨脚は
強まってきたのである。
9月5日 4時の目覚まし前に起きたが、残念なことに雨は降り続いていた。
メガ弟さんは元気に飛び出し竿をセットしていたが、まだ薄暗かったので私はテントのなかで横になっていた。
しばらくすると聞いたことのある声が聞こえてきた・・・・・あの声は確か・・メガ弟さんの縁戚だと言い張っていた昨日のおじさんだ!
それからしばらくすると、雨脚も弱まり明るくなってきたので釣りの準備をすることにした。
準備をしているとおじさんがやってきて、今頃から始めるのかと私を冷やかし、4本すべて出し終わる頃には雨は上がっていた。
おじさんは朝一番にアキアジを釣っていたらしく上機嫌で、私たちが昨日入っていた場所のホモの釣り人も一本釣っていたが、彼らはランディングにタモを使っているので確実にゲットしようという並々なら
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ぬ決意を窺い知る。しかし、よーく見ると他にもタモを使っている人たちを見かけた・・・。
そしておじさんに再ヒット!しかし・・・再びライン切れ!
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昨日切れてしまったので巻きなおしてきたという12号のラインが切れてしまったという・・・。結び方のせいだろうか?
5時22分、メガ弟さんが私の竿先にアタリがあると教えてくれたので見ていたところ、小魚がエサ取りをしているような微かなアタリが続いていた。
これまでとは全く違うアタリに迷ったが、待ちきれずに合わせを入れてみる・・・ヒット!アキアジである。
重量感はさほどでもなかったが、元気なアキアジは意外に引きがよくて楽しめた。
波打ち際から一気に引き上げて、仕掛を持って砂の上を引きずっているときにメスじゃないかとじっくり見たところ、念願のメスがようやく
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釣れたことがわかった。
おじさんにメスいりませんか?と聞いたところ、孫に筋子を食べさせてあげられると喜んで引き取ってくれたので、持ち帰る心配が要らなくなった。
しかし、この後は反応が消えてしまい、釣れる気配など全くなくなってしまった。
天気は次第に厚い雲から太陽が顔を出し、濡れたキャンプ道具はすっかり乾いていた。
結局、釣り場全体でも5本程度しかアキアジは上がらず、昨日よりも早い納竿となった。
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土曜日のせいか釣れていないのに釣り人は多く、後日聞いた話では日曜日もアキアジの群れはまだやってきていなか
ったと聞く。
今回の魚は72cm・4.0kg、73cm・4.1kg、76cm・3.9kg、76cm・4.2kg、77cm・4.5kg、二日目のメスは推定70cm・3.5kgで、4キ
ロ以上のアキアジが4本も釣れた。
初期群は特に大きく引きもよいので楽しめるが、今シーズンは例年の半分以下の釣果しか望めないと聞く。
今回釣りの運を使い切ってしまったとすると、今後の釣行は悲惨なものになってしまうのだろうか?心配である。

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