4月の釣り Ver.1



 ■ カレイがダメならチカ釣り

4月4日 昨年同時期にクロガシラとトウガレイが釣れたサロマ湖釣行を決めたのは、この時期としては暖かく晴れの確
率が高い天気予報をみたからだった。
久しぶりの車中泊に少しだけワクワクするのは、やはり春の訪れが近いせいもあったのだろう。

21時頃にサロマの道の駅に到着すると一台の車もおらず、AMラジオは電波が弱いのでFMを聴きながら軽く一杯やっ
て寝ることにする。
月夜だったので外はぼんやりと明るく、自動販売機が時々発する「ボヨヨーン」という音が聞こえるだけで、他の車は一
台もなかった。


4月5日 5時に目覚めると外はすでに薄明るくなってきていて、この時はまだ曇り空だった。
朝の準備を済ませて出発し、サロマ湖に沿って走っていると時々すれ違う車があり、これは近くの水産加工場に出勤する人のようだった。この辺りから雨が降り出したがすぐに止んだ。
サロマ別川の河口では数人の釣り人の姿が見えていて、ここは走りながら眺めるだけで通り過ぎ、栄浦港へ続く湖畔の道へ入った。
すると岸際に白くて丸いものがたくさん浮かんでいて、すぐに白鳥だとわかった。
白鳥が寝るときには長い首を巻いて頭を胴体に埋め込むようにして寝るので、首なし白鳥にみえるのである。
白鳥の数は見えるだけでも数百羽、サロマ湖全体では相当な数にな
るのだろう。

          

漁港の昨年の場所に行くと、日曜日にもかかわらずポイントの近くで漁船に道具の積み込み作業をしている人がいた。
港内にも数隻の漁船が走っていて、春の出漁の準備に追われているようだった。
しかし、釣り人の姿が見あたらず嫌な予感がする・・・・・。とりあえず反応のよいブラーで探りつつ投げ竿も出してみる。
ブラーに反応がないので、ここで朝食タイムとする。
しばらく粘ってみるも反応は全くなかったので、7時前にこの港は諦めて次の場所への移動を決意する。
帰り際、この港で一番人気のポイントに数台の車を確認したが、釣果は定かではない。
来る途中に見た白鳥を少し観察してからサロマ別川の河口を覗いてみたところ、長い竿で引っ掛けをするような釣り方の釣り人がいた。
しばらく全体を眺めていたが誰の竿にも反応がなかったので浜サロマ漁港に行くと、右側の外海に向かって3組、左側の海に突き出ている先の港内側に7人ほどの姿があった。
私達はその両方が見える中央部付近で様子を伺っていたところ、左側でカレイらしき魚が釣れたのが見えた。
しかしこの直後、漁船にやってきた漁師の方が「水温が低くてカレイはまだ早い。そこの河口でニシンが釣れている。」との助言。
なるほど、先ほどのヒッカケ釣りのような竿の動かし方はニシンのサビキ釣りをしていたのかと納得。
私はニシン釣りもいいなあと思っていたが、Kさんがチカ釣りがした
いので登栄床に行きたいと言うので、対象魚がカレイからニシン、そしてチカに変更になったのである。私はニシンに
未練を残していたが、後から聞いた話ではニシンは小さくてあまり美味しくはないと聞いて安心することになる。
登栄床は栄浦の反対側になるので、この日はサロマ湖の端から端まで移動したことになり、距離にして40km以上にもなる。
漁業を糧とする集落に登栄床漁港があり、サロマ湖では最も大きな漁港だ。
この漁港のどこでチカが釣れているのか探し始めると、全ての場所に釣り人の姿がみられ、日曜のせいか漁船がほとんどが停泊していてなかなかあいている場所がない・・・。
ぐるっと見て周り、外海に近い行き止まり付近にたくさん釣れている場所があった。
しかしその場所には入れそうにもないので、隣の漁船と漁船の間に
2本くらいなら竿を出せる場所を発見。
時間はすでに9時近かったので、退屈しない程度に釣れればいいと思いつつ仕掛けを下ろしてみた。すぐに反応があり
引き上げてみたところ複数匹のチカが釣れたが、型が小さくて10cmを切る大きさのものばかりだった。
それでも時々大チカも釣れることと、針数ぶんに近い数が釣れる楽しさに夢中になっていった。
隣のおじいさんはマイペースな方なのか、釣れたチカの針外しには時間
がかかるし排水溝にチカを落としてしまうし、そんなことをしているうちにもう一本の竿に付けているウキがあちこち走り
回っているなど、見ていてハラハラさせられた。
しかも、他人の漁船に竿やバケツ、撒き餌までを勝手に置いていたので、その漁船の持ち主が現れた時にはヒヤヒヤ
させられてしまった。
幸い漁師の夫婦のおじいさんの方は優しい方だったのでトラブルはなく、そのまま釣りも続行できたが、おばあさんが
盛んに釣り人のマナーの悪さ(アミピュアの撒き散らしや海草などのゴミが落ちている)ことなどを大きな声で言っている
のが気になった。
前日以前のものだが、私達が残したもののように言うので、これは大変迷惑・・・。
せめて、自分が汚した釣り場を海水で洗い流すくらいの心遣いをして帰ってほしいものである。
結局その漁師夫婦も船上からチカ釣りをはじめ、途中でエンジンの調子をみる業者が数分だけ調整作業をしていっただけ・・。
チカ仕掛けはオモリを重くしてウキをつけて置いておくと数釣りが楽しめ、ウキの動きで魚の数を計り適当なところで引き上げると針数に近いチカが釣れるという
寸法だった。
フリースの上に釣り用の上着を着ていたが陽射しが暖かく、汗ばむほどになってくるとフリースだけで充分な暖かさにな
っていた。
釣り場を探して次々にやってくる釣り人と出漁準備の漁業関係者が後を絶たず、活気のある漁港に春の訪れを感じる
一日となった。
お昼になると隣の漁師夫婦は帰ってしまったが、それでも釣り人の数は一向に減らずチカは適度に釣れていた。
隣のおじいさんは置いておいた2本の仕掛けが絡んでしまい下を向いて外していたが、そのうち鼻血が出たらしくティッ
シュでつっぺをしていた姿が可笑しかった。
バケツ一杯になったチカをクーラーに入れてからも依然釣れるチカではあったが、14時半に納竿しようと決めていたと
ころ、14時を待たずに風が冷たくなってきていた。
次第に風が強まり、遠くに見えていた雨雲が近づき雨が降り出してきたので片付けを始めると、他の釣り人も一斉に片
付け始め、蜘蛛の子を散らしたように釣り場に人がいなくなった。

            

漁港を離れると雨は上がり路面は乾いていて、湧別町に向かって走り出した。
上湧別町にある道の駅に寄り、トイレ休憩をして空を見上げると青空がきれいだった。
隣にある温泉施設「チューリップの湯」にはたくさんの車が停まっていて、日曜らしい賑わいをみせていた。
この晴天は自宅に着くまで続き、大漁のチカと春らしい景色に清々しい気分で帰宅することができた。





 ■ サロマ湖のクロガシラ釣り

4月17日 メガ弟さんから「伝書鳩」の釣果情報を教えてもらい、平日でも賑わっているという栄浦には前日からの出発
となる。
道の駅サロマの駐車帯には数台の車が停まっていて、暖かいとはいえないがFFヒーターが必要ないくらいの気温だっ
た。いつものFMラジオにゲームを楽しみながら、23時には横になった。


4月18日 混雑を予想して4時半には栄浦の港に着いたのだが、人気ポイントにはすでに他の釣り人がたくさん準備中、もしくは完全にアタリ待ち状態・・・。出遅れてしまったようだ。
それでもその横に迷わず場所を確保して、お隣さんの二人組みのおじいさんに挨拶をする。
笠智衆そっくりのおじいさんは、親切に仕掛けやエサについてもアドバイスをくれたので、その後は「御前(ごぜん)様」と呼ぶことにする。
準備が済みかけたところにメガ弟さんが現れ、今シーズンのアキアジブッコミ用に購入したと言う「BUN-NAGE450」という、この場所にはかなりオーバースペックなロッドと、リールにはPEラインが巻かれているこれまたハイスペックなセットで登場!
しかし・・・・・ロッドは立てかけておいて、代わりに用意した鱒レンジャーにブラーを持って近くの足元に落とし込むと、さっそくカレイをぶら下げて帰ってきた。
御前様は順調にクロガシラを釣り始めると、私達の投げ竿にもアタリがあり、手の平サイズのクロガシラが釣れ始める。
投げ竿はKさんに任せてメガ弟さんとブラーを楽しむが、私は1バラシですぐに諦めて投げ釣りに専念した。
この後、メガ弟さんはクロガシラを手土産に帰ってきたが、港内を回ってカジカ、ギンポ、ウグイなどを釣って遊んでいたようだ。
朝から太陽が顔を出し続けていたので気温も上昇し、釣り人は次々にやってきて賑わっていた。
春の漁港の活気は目の前の船道でもみられ、入出港する船の出入
りが激しく、すれ違う船がある時には減速していくがそうでない場合には高速のまま走る抜ける船が多いので、エンジン
音がうるさかった。
             
          この日の初物
日が高くなるとカレイも多く釣れだすが、ヒトデが混じるようになってくる。
昆布が根ごと引っ掛かって外すのに苦労したばかりだったので、またしても昆布かと巻き上げていたところ、巨大なヒト
デが掛かってしまったのだった。
             
                                                    巨大ヒトデ
ずぼらな私達は仕掛けを投げ込んだらほったらかしにしておくものだから、35cmもある巨大ヒトデともう一つの針にもヒ
トデが食いついていたのである。
メガ弟さんはようやく用意してあった「BUN-NAGE450」ロッドを使うことにしたが、オーバースペックなのでちょい投げで
も飛びすぎるくらいに扱いにくそうだった。

42cmのウグイ
そして「BUN-NAGE450」にもアタリがやってくる・・・釣れたのは42cmの大きなウグイだったが、対アキアジスペックなので小魚を釣り上げたようにも見
えた。
海水温が幾分上昇したせいかアタリは明確で、特に大きくないカレイが多かったので竿先は心地好い動きを見せてくれる。
11時過ぎ、竿尻が大きく動き大物の予感がした・・・アワセを入れて巻いてみたところ、なかなか重くてカレイらしい反応も感じられた。
見えた魚体に大きなカワガレイかと思ったが、この日初めて見たトウ
ガレイだったのである。
計測してみたところ35cmもあり、なかなかの大物ではあったが即リリースする。
メガ弟さんが昼食の買物のついでにエサを仕入れてきてくれたので、安心して釣り続けることができた。
そして昼食が済んだ12時半過ぎだった。竿尻が大きくはね上がり、仕掛けが大きく流されていたのである。
潮の流れが速くなってはいたのだが、それにしても潮に流されたとは考え難い状況だったので、Kさんに上げてみるように促した。そして上がってきたのが32cmのクロガシラだったのである。
後日、このクロガシラを刺身にして食してみたところ、全身エンガワ状態の味に大満足してしまう。産卵後なのか、腹部がぺしゃんこになっていたので味は期待していなかっただけに、驚きの美味しさだっ
周囲の人たちも集まってきて「これなら刺身にしてもいいなあ」などと
た。
言いながら、私が写真を撮っている姿を見ていたので少々気恥ずかしい。
この後、メガ弟さんは寒くなってきたことと飽きてしまったことで納竿。
その後もポツポツとクロガシラが釣れるのでなかなか止められずにいたが、エサがなくなってしまったので、エサがなくなった竿から順番に片付け始める。
しかし、風が強くなり寒さを感じると、とたんにやる気は失せてしまい14時半には納竿を決める。
釣り人の数もすっかり減ってしまっていて、空は鈍い鉛色に変わってしまっていた。
最後にスカリからカレイを取り出し小さい順番に放流して、10枚だけ持ち帰ることにした。 
リリースしていた魚を含め40枚くらいだろうか、まずまずの釣果に満足して栄浦港を後にする。





 ■ またまたサロマ湖のカレイ釣り

4月25日 もちろん前夜からの車中泊で、道の駅を出発したのが4時過ぎというとんでもない早起きとなった。
カレイが釣れ始める時間は日の出以後だが、この時間に釣り場に行っても釣れるポイントに入れることは不可能だか
らいたしかたない。
     

しかし、先週よりも30分以上早く着いたにもかかわらず、すでに目指すポイントは釣り人が準備を済ませていて、後から
聞いた話では泊り込みでもしない限り入ることはできないだろうという・・・。
漁船が早くも次々に入出港をしていて、栄浦港には活気がみなぎっていた。
先週よりもいくらか釣れるポイントよりも離れてしまった感はあったが、32cmが釣れたポイント内ではあったので希望を持って次々に仕掛けを打ち込んだ。
先週同様に早朝は誰も釣れなかったが、朝日が昇りしばらくするとポツポツと反応がでてきた。
型は小さいがダブルで釣れることもあり、この日は全てがクロガシラだった。
しかし、先週よりも数が釣れず、時々ヒトデが釣れることだけは変わりないようだ・・・。
ブラーで探りながら釣り歩いてみるもカレイの反応はなく、仕方がないのでウグイ釣りを数匹楽しんで早々に車に戻る・・・。
先週はずらりと並ぶほど釣り人が多かった釣り場は、数えるほどしか釣り人がいなかった。
陽が高くなると天気予報どおり風が強くなってきて、あろうことか油断した隙に漁船が竿ごと引っ張って行ってしまった・・・。
その後も、先週よりも遠くない場所に仕掛けを投入していたにも関わらず、仕掛けを3本も漁船に切られてしまうパプニングがあった。
結局、30cm超えは他の釣り人にも、当然私達にも釣れず昼過ぎには納竿とした。
今回の持ち帰りは6枚のみで、エサも残ってしまうほどアタリは少なく、
期待していただけに不満が残る釣行となった。

その後、サロマ町内の駐車帯で仮眠をとることにしたのだが、目覚めた時には17時近くにもなっていた。
依然風が強く、これが翌日からの暴風雪に向かっていく合図だったのだろう。北見市では40cmもの降雪に見舞われた
そうである。

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