2月の釣り Ver.1



 ■ 2月のサクラマスVol.1

2月7日 ほとんど病的といえるだろう、毎週末のサクラマス釣行は早くも2月に突入。
今回は連続釣行のメガ弟さん、サクラマス釣りたい病のイノケンさん、そして初参加のキッシーさんを迎えた5人での出
撃である。
車内に自分でセットした外気温計は不正確な信用できないもので、実際の気温よりも高く表示されるものだったにもか
かわらず、大雪湖付近ではマイナス17℃を下回っていたのである。

         
               除雪センター
駐車場に到着する少し前に後方に見えたキッシーさんの車が追いつき、ほぼ同時に到着となる。
メガ弟さんとイノケンさんはすでに到着していて、外に出ると顔を刺すような寒さから推定マイナス20℃以下らしいことが
わかる。
6時の集合だったがすでに明るくなり始めていて、4台のソリを引いて釣り場に向かった。
水位がはじめから低かったせいか、2月に入っても大きく割れた氷などはあまり見当たらず、湖面への乗り入れは楽だ
った。
          
                                                  釣り場到着
15分ほどソリを引いての移動だったので、到着時には汗ばむくらいになっているはずが、この日はそれがない。
メガ弟さんの顔を見るとまつ毛が白く凍っていて、私も顔の周りの襟元には白い結晶がついている。
東の空が薄赤くなり始めていて、空はすでに明るくなっている。
東大雪の山々は朝日を浴びてそこだけ赤くなっているが、寒さのために美しかった風景は撮影することができない。

         

いつもの場所にテントを設営して、3台のドリルで17箇所の穴をあける予定だが、まず始めに準備したのは2台のガソ
リンストーブだった。
7時過ぎには仕掛けを下ろし各自ワカサギ釣りを始めたところで、キッシーさんがこの釣り場のために購入したという電動リールを披露した。
面白そうな道具だが私達は夫婦で釣りをするので、購入するとなれば購入価格は2倍となってしまうから簡単には買えそうにない。
外にサクラマス用の穴をあける作業は寒さのためになかなか思うようにはかどらず、予定していた3箇所の穴あけに挫折してしまい、3箇所目にドリルを立てたままテント内に戻ってしまった。
イノケンさんは一週分我慢したせいか5個もの穴をあけ、準備万端整えてからエサになるワカサギ釣りを始めていた。
8時過ぎ、そのイノケンさんにこの日の一本目のサクラマスがヒットして、動画撮影をしながら駆けつけた時にはすでに
姿を現していた。
この日はテント内でも穴の表面が凍ってしまうほどの寒さで、日が射すまではなかなか暖かくはならなかった。
それでもワカサギは前回並みに釣れていて、ワカサギオンリーのメガ弟さんとKさんはダブル、トリプルと調子が好いようだった。
8時半にはイノケンさんが2本目のサクラマスを釣り上げ、一本目同様にバケツに水を入れて泳がせていた。
いつも雲に隠れていて見えなかった遠くの東大雪の峰々が、この日は遠くにくっきりと白く
見えていたので寒さも忘れしばし見とれてしまうほど・・。
イノケンさんの2本目に刺激され、氷の上に残された途中で挫折したドリルを再び回し、ようやく私も全ての準備が整っ
たのである。
9時には早くもイノケンさんに3本目が釣れたようで、テント内にある生簀のバケツにサクラマスを運んできていた。

        

日が高くなり、10時近い時間になっても気温はまだマイナス10℃と寒く、なかなかテントから出たくないのでメガ弟さんが
振舞ってくれた昔懐かしいおやつを食べるなどしながらワカサギ釣りを楽しむ。
10時過ぎ、頻繁に見回りを続けていたイノケンさんの知らせで、ようやく私にもサクラマスがヒットしていることがわかった。
ラインが横に走っているので、ワカサギを銜えた魚が引いているのだろう。アワセを入れるとグンと手ごたえが伝わり、針掛りしたことがわかる。
心地好い手ごたえを感じながら巻き上げていると「バレロ!バレロ!」と、メガ弟さんのバレロコールが聞こえてきて、オモリが見えたところで慎重に巻き上げるとサクラマスが穴から顔を出した。ここで一気に引き抜いて、雪上に銀色の魚体が数秒跳ねてからおとなしく
なる。
型の好い美しいサクラマスである。歓声が揚がったのも束の間、今度はメガ弟さんのたった一本の竿にも反応があったらしく、魚はそのままに現場へ走る・・・しかし残念ながらスカだった。
一騒動を終えたところでメガ弟さんプレゼンツのおしるこタイム・・前回好評だった網で焼いた餅入りおしるこが振舞われていたが、こんな時でもイノケンさんの目はテント外の竿先に向けられている。
その後もイノケンさんは快調に釣り上げていて、午前中だけで5本も釣っている。
テント内のKさんとメガ弟さんはワカサギの数を順調に増やしていて、私とキッシーさんの空に近いバケツとは大違いだった。
釣人の数も随分と増えていて、私たちのテントの近くでもサクラマス
を狙う人たちが数人いるなど、遠くからも鈴の音が聞こえてきていたほどサクラマス狙いの人が多いことがわかる。
昼食の鍋カレーうどんを食べると、午後はキッシーさんの初ヒットから始まった。

 

みんなで駆けつけると竿先がフワフワと揺れていて、アワセを入れるとヒットした手ごたえがあったと言う。
メガ弟さんのウグイコールを聞きながら巻き上げ、穴からサクラマスが顔を出すとみんなが歓声を上げて、なかなか

サクラマスゲットー!
の腹太サクラマスが釣り上がった。
釣れる気がしないと言っていただけに、本人も私達もとても喜びあっ
た一本となる。
13時過ぎ、キッシーさんのサクラマス竿にアタリがあったと聞いたので近づいて撮影していたところ、その後方に転がるテントが目に入った。
風にのってコロコロ
回転しているテントを追う釣人の姿もあり、テントは急にぺしゃんこになってその動きを止めた瞬間・・大きなアワセを  

ワカサギ5匹
入 れるキッシーさんだったが・・・スカだった。
その後、私も一本サクラマスを追加してテントに戻ると、キッシーさんがほったらかしにしていた仕掛けに5匹のワカサギがヒットしていた。
この日は電動リールデビューのワカサギ釣りだったのだが、サクラマス仕掛けに熱中し始めたキッシーさんに代わって、Kさんがそのリールのスイッチを押していたようだった。
                          電動リールの勝利
13時半にはメガ弟さんが納竿して、ここからキッシーさんの仕掛けにはサクラマスが連続ヒットすることになる。
最初はワカサギ釣りをやめてテント内にセットした仕掛けにヒット・・・小さな電動リールがサクラマスのパワーに耐えられ
るのか?
心配は無用だった。圧倒的なパワーによって、いとも簡単にサクラマスが海中から引き上げられたのである。
外でも・・・・・次々に釣れまくり、キッシーさんが外に3本出したすべての竿にヒットしたほどだった。
キッシーさんには是非一本と願っていたが、これは釣り過ぎだろうというほど忙しく動き回っていた。

        
          最後はイノケンさん
私とイノケンさんもテント内でのワカサギはやめてサクラマス仕掛けに変更していたが、再びキッシーさんにテント内でも
ヒットしてしまったほどだった。
すっかり満足したので夕日が山に隠れるたところで片付け始めたが、努力と根性の人、イノケンさんが最後まで諦めず
に残していた竿がこの日最後の8本目となるサクラマスを捕らえていた。
穴から頭を出して首を振るサクラマスは美しく、夕日のせいかやや赤みを帯びた魚体を確認したところで、私達は釣り
場を後にした。
日が落ちると急に寒くなりはじめ、冷たい風に耐えながら大自然が創り出した風景を楽しみつつ駐車場に戻ってきた。





 ■ 2月のサクラマスVol.2

2月11日 前回は糠平らしい厳寒の氷上釣りだったが、今回は幾分温かく感じるような天気予報を確認しての出撃だっ
たばず・・・。
いつもより若干遅い出発で、三国峠まで来た時には薄っすらと明るくなり始めていたので、ちょいと立ち寄ってみること
する。群青色の空は東側に赤みを帯び山際との彩色が美しく、早起きしたものだけが見ることができる幻想的な朝の
景色を味わっていたが、寒さのために長くは耐えられなくて車内に戻る。

         

五の沢駐車場はすでに数十台の車が停まっていて、イノケンさんの車は見当たらなかった。
ソリに荷物を積み込み出発しようとしていたところ、温泉側の遠くにイノケンさんの姿が見えた。イノケンさんの家族は
車内でしばらく休憩してから、イノケンさんがテントの準備を整えた後で釣り場に来るというので、先に私達が釣り場へ向かうことにした。
林を抜ける頃に後方から着いてきていた釣りではない格好と荷物の人に先行してもらい、ここで寒暖計を見るとマイナス20℃にも下がっていた・・・。
この人は写真撮影のために早朝のこの時間にやってきていたそうで、この後は釣り場ではなく北へ向かって歩いていった。
緩やかな坂を下り湖上へ出た頃には完全に明るくなっていて、すでにたくさんのテントがカラフルに湖上を彩っている。
少し沖ポイントが賑わっていて、準備中の人たちやすでに釣果を上げてる人の声も僅かに聞こえる。
振り返ると、東大雪の山々がそこだけ朝日に赤くなっていて美しい。
ようやくポイントに着いた時にはイノケンさんがすぐ後ろまで追いついていて、顔が引きつるような寒さに寒暖計を見
る・・・寒いはずで、マイナス24℃だった。ということは、先週はもっと寒かったのでマイナス28℃くらいだったのだろう
か?
           

さっそくテントの設営をしてストーブに点火するが、気のせいか燃え方が力なく感じる。
イノケンさんも隣にテントを設営してストーブに点火するも、火力が上がらず私達の温まったテント内でストーブを温めて
みたところ、その後は無事火力が上がったようだった。
今回はテント内にも2箇所のサクラマス用の穴をあけて準備していたが、これは午後から使う予定である。
Kさんがワカサギ仕掛けを下ろし始めた頃、私は意を決して外に出て、サクラマス用の穴あけを始めた。
結局、2箇所に穴をあけてテントに戻ってしまい、ワカサギの釣果を聞くとダブル、トリプルと好調のようだった。
その後、もう一箇所の穴あけを済ませて仕掛けの投入を済ませたのが8時40分だった。
その少し前、イノケンさんの竿立てにしている板と竿が擦れあって妙な音がしていたので、イノケンさんに知らせると「OMA!OMA!」と言いながらやってきたイノケンさんが、大きくアワセを入れた2回目にグンと手ごたえがあったようだ。竿先は曲がっていて、明らかに大きな魚がヒットしているようだった。
穴からオモリが出てきて、すぐにサクラマスの魚体がキラリと見えた直後にフックオフ・・・残念。
日が昇り少しだけ気温が上昇したので、イノケンさんは家族を迎えに駐車場へと向かったので、私はテント内のワカサギ釣りに集中することにした。
しばらくすると元気にイノケンさんともえぴーちゃんが現れ、その後奥様とくっかちゃんも到着。もえぴーちゃんはサクラマス竿に興味津々なのか、穴に釘付けになっていて動く様子はない。
テント内にあけてある穴がそのままになっていたので、サクラマスの仕掛けを入れたのはこの頃だった。
そしてKさんのワカサギ仕掛けに重い手ごたえが伝わったので少々期待するも、釣れたのはワカサギのスレだった。
10時少し前、サクラマス仕掛けのチェック中にイノケンさんの仕掛け
に反応があった。
竿を持っているのはもえぴーちゃんで、前夜練習していたアワセを2回入れてリールを巻いている。本人に聞くと手ごた
えはあまりないと言うが、竿先は大きな魚が掛かっている曲がり方をしている。
程なくして穴からサクラマスが顔を出し、サクラマスを撫でながら「かわいいー」と喜んでいた。
それから5分も経っていない10時過ぎ、イノケンさんに呼ばれたくっかちゃんがテントを飛び出して走っていた。テントか
ら遠い仕掛けだったが、ようやくたどり着くとすぐに竿を持って巻き始める・・・2回アワセを入れて巻いていると、やや大
きなサクラマスが穴からすうっと引き上げられ「わあー」と自分で歓声を上げた。
      

竿を頭上に上げたまま、固まっていた姿が印象的だった。
そして更に5分後・・・テントに戻らずに竿先のチェックをしていたくっかちゃんが、自分でアタリを見つけていた。
自分一人で合わせを入れてリールを巻いていた姿を動画撮影していた私が、なにも手伝うことなくしっかりとサクラマス
を引き上げて、最後にカメラに向かってVサインを出していたのである。
子供達の活躍を横目にうらやましく見守っていたところ、テント内でKさんに強いアタリがあった。
竿は根元から曲がっていたがなにか引きが違うと言った予想が的中して、穴から顔を出したのはウグイだった・・・。
その後、テント内でワカサギ釣りに集中していたところ、もえぴーちゃ
んかくっかちゃんどちらだったか定かではないが、私の竿にアタリがあることを知らせに来てくれた。
しかし、Kさんが巻き上げてみたところ、残念ながらスカだった。
しかし、テントに戻ろうとしたKさんが、テント内のサクラマス竿につけておいた鈴が激しく鳴っていると呼んでいる。
すでにリールを巻き始めていたKさんが持っている竿は根元から曲がっていて、これはサクラマスに間違
いなかろうと確信して動画撮影をする。
ラインが右に左にと引っ張られているうちにオモリが見えてきて、魚が見えたと同時にラインを持って引き抜いた。
アベレージサイズよりは大きなサクラマスだったが、他の竿のワカサギ仕掛けが絡みついていて、仕掛けはグチャグ
チャになっていた。
その数分後、イノケンさんのテント内が騒がしくなった・・・しばらくすると、もえぴーちゃんとくっかちゃんが二人で私達の
テントにやってきた。  
手には30cmくらいだろうか、白い斑点がきれいなアメマスを持って
いる。動くアメマスにキャーキャー言いながら、テントに戻ってリリースしたようだった。
このあと、二人はテント内でもサクラマスを釣り上げていたようだったので、冬の氷上釣りの記憶に残るいい思い出ができただろう。
11時08分、再びテント内のサクラマス竿に大きな魚がヒットした。
しかし、氷に針が引っ掛かってしまい、ようやくはずれた時には軽くなっていた・・・。
もうすぐお昼になろうとしていた時だった。もえぴーちゃんが私の竿のアタリを見極めて呼びに来てくれた。
イノケンさんに動画撮影を依頼して、もえぴーちゃんが見守ってくれるなかでアワセを入れる・・乗った!心地好い手ごたえが伝わり、オモリが見えてきたときにもえぴーちゃんが「いるー、いるー!」と叫び、サクラマスが穴からクネクネと引き上げられた。大きくはないが腹太の美しいサクラマスだった。
その後は少し風がでてきたのでワカサギ釣りに専念して、テント内で過ごす時間が多くなった。OMA待ちである。
そして13時半過ぎ、サクラマス竿のエサを点検していたときだった。
この釣りには長くて扱い難いが、釣れると面白い5.6フィートのウルト
ラライトロッドにヒット!
最初は軽かったが急に暴れだしたのか重くなり、穴から抜き上げたサクラマスはなかなかの大きさだった。
チームレコードの35cmとなる、腹太サクラマスのメスだった。
イノケンさんは14時半には納竿してしまったので、急に静かな釣り場になってしまった。

             

その後、サクラマス竿に一度だけアタリがあったが、タイミングを計っているうちに竿先は静かになってしまった。
私達の周りには釣り人はおらず、すっかり寂しくなってしまったうえに、風が強くなり、雪が降りそうな空模様だったので
私達も納竿することにした。
帰りは予想通り風が冷たく、言葉少なにソリを引いて駐車場に戻ることになり、林に入るまでは顔が凍りつくような厳し
さだった。

2月の釣りVer.2 へ → 


戻る
戻る