1月の釣り Ver.3



 ■ 糠平湖のサクラマス Vol.3

1月31日 糠平湖出撃三度目となる1月最後の週末は、メガ弟さんとの釣行である。
この日イノケンさんは出撃できず、ライバル不在のサクラマス狙いとなるが期待は大きく、刺身用の型の良い腹太サクラマスが目標だったのである。
現地の天気は概ね曇りだが、午後から風が強くなるらしいので気温が気になる。
いつもの時間に出発して、層雲峡に近づくと雪が降り始めた。この雪は三国トンネルを通って東大雪に入ってからも降り続き、除雪センターに着いた頃にようやく止んだ。
五の沢駐車場に着くと、数分前にメガ弟さんが到着していて、6時05分過ぎに空だけが青くなり始めた暗闇を、湖に続く林のなかに進む。
すぐ後ろから父親と子供二人の親子連れが追尾してきていて、キャ
ップライトの灯りがぼんやりとしていたが雪の白さのせいで林の中でもよく見える。
湖への坂を下る頃には急に明るくなってきて、湖上のテントの灯りが見えると気分も高揚してきて足取りも軽くなる。
遅れずに追尾してきていた親子連れも、他のポイントには見向きもせずに私達の後を着いてきていて、先週と同じポイ
ントに私達が到着すると、その親子連れも近くに到着して場所は決まったようだった。
先週の氷の上にあった水は凍結しているらしく、湖上はいたって固く歩きにくさはない。
テントの隅を固定してから3人分の穴の位置決めをして、テントをずらしておく。その間に穴をあけようとしたが、ドリルのネジが緩んでいたせいで真っ直ぐに回転せず一苦労して、再びテントを元の位置に戻してペグ留めする。強風対策に、ロープを使った7箇所にもペグで固定して
設営は完了!私は一人、これから外でのサクラマス用のセッティングをするが、曲がったドリルでの穴あけの要領を掴
んだことと、3本に減らしたことで思ったよりも早く済んだ。
しかし、ワカサギが先週よりも不調で、それならサクラマスが釣れるのではと期待して仕掛けを下ろすが・・・アタリはや
ってこなかった。

    

8時過ぎのこと、外にいた私に聞こえてきたのはテント内からの「アメマスだー!」の二人の声だった。
すぐに駆けつけてみると、15cmほどのチビアメマスがワカサギの仕掛けに掛かっていたのである。さっそく写真を撮っ
てからリリースしたが、ボケた写真しか撮れていなかったことを後から知る。
頻繁に外のサクラマス仕掛けをチェックしていたが竿先に変化はなく、先週の初ヒットは9時少し前だったことを考え、まだ早いと自分を制す。
天気は時々雪がちらつく程度の曇り空で、私たちの周りにもテントが7張ほどあり、サクラマス狙いの竿もセットされているようだった。
8時半過ぎ、テントに戻って中の様子を撮ろうとしたところ、液晶画面に映った写真は曇っている・・・何度か写してみた
りレンズを拭いてみたが、酷くなる一方だったのでテント内に放置しておくことに・・・。自然に直ってくれることを望んでの
放置だった。
心配したが、10分ほどで曇りはとれてカメラが正常に戻った。

久々に見たウグイ
8時44分、Kさんに強いアタリと引きがあった。私はサクラマスを期待したが、Kさんはウグイを確信していたらしく、その予想通りウグイが顔を出したのである。
この日はメガ弟さんが好調で、ワカサギダブルも頻繁にあるほどだった。
ミスターMさんがここの違いですよと腕をアピールするので、この時からよく釣れる時は「肘(ひじ)が違
う」「肘がいい」と自慢することになった。
ワカサギも先週よりも型がよく腹太のやや大きなものが多かったので、12mほどの湖底からリールで巻き上げる楽しさ
もなかなか好かった。
メガ弟さんもサクラマスの仕掛けを出すが、竿は一本だけ、それもブドウ虫のエサ釣りに挑戦していた。
2月が近づくとサクラマスは釣れなくなると、管理人さんに聞いた私達はサクラマスへの関心も薄れてしまい、メガ弟さんが用意してきていた焼網に目を奪われる・・・。
コールマンストーブの上に焼網を置いて餅をのせる・・・、しばらくすると、適度な焦げ目とともに静かに膨らんでくるのである。
微妙な火加減はミスターMさんの得意とする技で、もう一つのストー
ブの上では具なしおしるこが温められていて、餅が適度に焼きあがったところで、容器に餅と汁を移して「おしるこ」が
出来上がった。
氷上釣りの新メニューおしるこは、適度な血糖値補給と餅の香ばしさが実に美味い一品だった。
その5分後の10時過ぎだった・・・。私の底に下げていたワカサギ仕掛けに強い引きが伝わる。
ウグイのような引きではないと感じた私は、根元から曲がるワカサギ竿を操りながら、ワカサギスペシャルGTの軽い巻上げによって大きな魚であろう手ごたえを楽しむ。
穴の下近くになるとその引きは強くなるので慎重になり、ギラリと光る魚の大きさを確認したところで一気に引き上げた・・・穴から引き抜いた魚は、予想通りサクラマスだったのである。
ワカサギ針が一本は上あごにフッキングしていて、抵抗したときに掛かったものだろうもう一本が口ではない部分に掛
かっていた。
テント内ではオレンジ色に写ってしまうので、3枚ほど撮影した後、外でも撮影するがなかなか腹太の型の好いサクラマスだった。
その10分後、外のミスターMさんに糸ふけしていると呼ばれて見に行き、リールを巻き始めたが手ごたえは軽く、空振りだったかと思っていたところ、急に重量感のある魚の引きが伝わってきた。
ウルトラライトロッドのファイトは実に楽しくスリルもあり、オモリが見えるとミスターMさんがサクラマスがヒットしていること
を確認し、そのまま引き抜くと輝く魚体が雪上に跳ねていた。
このサクラマスは随分と大きく腹太で、後で計測したところ35cmのチーム網走記録となる魚だった。
落ち着いたところで全体を見渡してみると、五の沢の流れ出る河口付近にはたくさんのテントがあり、沖のポイントもい
もよりは広範囲に釣り人がいて、これまででは最高の人出となっていた。
しかし、朝の親子連れは子供が飽きてしまったのか、釣れなかったのか定かではないが早くも帰ってしまっていた。
太陽は雲に隠れていたが、薄い雲なのか時々透けて見えるので釣り場は明るい。

           

11時過ぎには再び外のサクラマス仕掛けにアタリがあり、Kさんが釣りたいと言うので竿をまかせてみた。
私は動画撮影をしていたが、ボタン操作を間違えて撮影は失敗したものの、サクラマスは無事に釣ることができた。
この時、歩くスキーツアーの観光客が釣り場を訪れていて、バケツの中に魚を入れに行ったKさんはその人たちに頼まれてサクラマスを見せると、きれいな魚だねえと言う言葉にまんざらでもない喜びの表情を浮かべていた。
ツアーの人たちは15人ほどで、しばらくは釣り場を見て回ったり休憩をしていたが、やがてタウシュベツ橋に向かって一列になって進んでいった。
その後、仕掛けとエサの点検をしていたところ、ミスターMさんの鈴が激しく鳴ったので知らせたが、ミスターMさんが自分の竿まで来た時には鈴は鳴り止んでいて、その後反応はなかった・・・残念。
正午前に昼食を食べていたところ風が時々強く吹き、テントの心配をするが飛ばされたり破れるほどの強風にはならな
かった。
13時前には歩くスキーツアーの一行もタウシュベツ橋から戻り、いつの間にか姿を消していた。

       
            右にタウシュベツ橋
ミスターMさんは13時半前に納竿して、ソリを引いていた頃に焼肉の匂いがしてくる・・・隣のテントの人たちが風を避け
てテントの陰で焼肉をしていたのだった。
この人たちは、食事を済ませるとすぐにテント内に入ったことは言うまでもない寒さだった。
ミスターMさんを見送ってからはあまり外に出ることもなく、穴が一つ余っていたのでその穴にサクラマス仕掛けを入れてみたが、他のワカサギ仕掛けに絡まってしまう。
一番奥にあった竿をミスターMさんが使っていた外の穴に移動して、その後はテント内でワカサギ釣りだけを楽しんでいた。
14時過ぎには前回同様に私だけアタリが少なくなってきて、天気も雪が混
じり気温は下がってくると、早々と納竿する人たちが多く見られた。
私達もそろそろ帰ろうかと14時半には片付けをはじめ、奥から順番にサクラマス仕掛けを片付けていたところ、最後の一本となるミスターMさんの穴の竿がアワセに
乗ったのである。
大きくはなかったが、この日の4本目となる美しい魚体のサクラマスを釣ることができて納竿となった。
今日は釣れないのでは?と、午前中は不安になったサクラマスだったが、充分に満足できる釣果となった。
おそらく、前回並みに粘れば夕マズメの釣果も期待できたので
はないだろうか。
ソリを引き始めてから湖上が切れるまで冷たい風が吹いていて、それは顔に突き刺さるような冷たさだった。
駐車場に戻ってみると、テントの数はたくさんあったのに車は4台しかなくて、常設のテントが多いことがわかった。

           

まだ明るいうちに片付けを済ませて出発し、層雲峡の氷爆祭のライトアップを見ながら通り過ぎ、自宅に着いた頃には
真っ暗になっていた。

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